頭をよぎる度、少しばかり気の重くなる業務の日が近づき、とうとう今日、それが当日となった。
体調を整えるのは基本中の基本であるから、昨晩もお酒を慎み早々に寝床に入った。
そのおかげ、朝の四時にはすっきり目が覚め、先手必勝、事務所に入ってからの確認作業は余裕しゃくしゃくだった。
そしてお昼を前にし、いよいよ出発の時刻。
ホームに立って電車を待つ。
大陸由来の血も涙もない冷気が情け容赦なく吹き付けてくる。
寒さに抗おうとするからだろうか。
憂いの種であったこの日の業務に対し、挑みかかっていくような闘争心が咆哮とともに溢れ出してきた。
そして経過すること数時間。
どんな仕事もいつかは終わる。
終わった後の解放感が実にいい。
帰途、仕事前後の心の動きを行ったり来たりしつつ反芻しながら、しみじみとした余韻にひたって心くつろぐ。
だから夕飯はご褒美に、にんにくラーメン。
明日金曜、寒気に芳しい香りを漂わせ、中年男子が大阪から奈良へと闊歩することになる。