掃除を終えて実に清々しい。
秋晴天の陽気のもと自転車を駆って西宮北口へと向かい、まずはコーンバターラーメンをかき込んで腹ごしらえをした。
なにしろ何も食べず大掛かりな掃除をしたものだから空腹が極まっていた。
食べて英気がみなぎって、ジムへとなだれ込み40分泳いで筋トレし更に爽快感が積み増しとなった。
この時点で時刻はまだ午後2時過ぎ。
マッサージチェアに横たわり、明度を増し続ける空を眺めて思った。
一日はなんて長いのだろう。
あれこれ活動して、まだ一日が半分も残されている。
ジムを後にしガーデンズで自転車のタイヤに空気を補充し家へと戻った。
磨き上げたから床はツルツル、家はピカピカで、窓を開け放って風が吹き込みその清涼さで屋外と屋内が同化した。
そんな心地よさにひたりつつ、日が暮れるまで未読の新聞をぺらぺらめくって過ごし世情の一端について人並みに学んだ。
そして、そろそろ空腹感が訪れた。
前夜、大貫のお代が2,970円でこれは明らかな誤りだった。
猪八戒のごとく食べて飲み、いくら安くても3,000円を割るなどあり得ないことだった。
不足分を払わずには気が済まない。
その精算も兼ね、今宵もまた大貫へとわたしは馳せ参じた。
この夜もまたわたしは食の煩悩を解き放ち、ああ、腹が膨れる幸福に全力でひたった。
途中、長男から近況を報せるメッセージが届いた。
映画RRRがオススメだというから帰ってすぐに見始めた。
主人公男二人が八面六臂の大活躍をみせ、その躍動が痛快でたまらない。
ダンスも見応えあって、心踊った。
あっという間に3時間が経って、気づけば時計は午後10時過ぎを指していた。
ここで思うのは、昼間とは逆のことだった。
なんてあっけないのだろう。
これから寝るというのに夢から覚めたような気分になりつつ寝床に入り、今更また空腹感がぶり返すもいつしか寝入り、夢は枯れ野を駆け巡った。