近鉄小阪駅から西九条まで出て環状線を使い大阪駅で降りた。
ごった返す人混みを縫うようにしてルクアを目指す。
地下2階にある人気店コウハクにはすでに列ができていた。
夕刻もまだ早い時間、並んでいるのはほとんどが女性だった。
わたしの他には男子が一人。
彼もまたわたしと同様、「先に行って並んどいて」と下命を拝した口なのだろう。
待つこと15分。
席に案内された。
順番が来た、と家内にメールする。
先に注文しといて。
そう返事が来たので白のボトルを頼み、おすすめメニューからランダムに5品を選んだ。
ちょうどワインがやってきたところ。
タイミングよくヨガ帰りの家内が店に現れた。
乾杯し、注文した品について家内に報告する。
わたしはことごとくポイントを外していたようだ。
コウハク代表格の料理を家内が追加注文していく。
だからまもなくテーブルは満杯となって皿の踏み場はなくなった。
家内は正しかった。
特筆の美味しさであったのはすべて家内が注文したお好み焼きや大根といった品々であった。
白ワインのボトルはすぐに空になり、続いてスパークリングのボトルを頼んだ。
西北のジュリエッタなき今、代替の場にふさわしい。
今後たびたび家内と待ち合わせしグラス傾ける店になるだろう。
シメのパスタを取り分ける家内に、こんど義父母を食事に招待しようと提案してみた。
それなら、ほうば。
家内は筋金入りのほうばラバーであった。
それでその場で電話してみた。
現時点で9月いっぱいまで満席、分かったことはそれだけだった。
一縷の望みをかけ天六のいんちょに助言を求めたところ、少なくとも来年1月までは満杯だという情報を得ることができた。
来年のことを言えば鬼が笑う。
そういうけれど、ほうばについては鬼に笑ってもらうしかなかった。
目標として3月。
そのあたりで席が取れれば御の字だろう。
ほうばは機会を改め、義父母を招く店は纐纈、そう決めた。
夫婦でめでたく合意に至り、帰宅の途につきながら纐纈に電話した。
運良く9月に4人分の座敷席を確保できた。
家に帰ってわたしはリビングでくつろぐ。
酔って疲れているはずなのに、家内は相変わらずだった。
息子らの夜食の準備に余念がない。
テールスープで作る特製ラーメンが今夜のメニュー。
息子ら二人は、一滴も残さず平らげた。
夏バテとは無縁のはずである。