朝起きて花に水をやりゴミを出し洗濯機を回しご飯を炊き温玉を作り食器を洗って新聞をめくりつつ長男にメールを送る。
元気かと言葉少なに声をかけワンワード程度のそっけない返事を受けてそれを喜ぶ。
今朝の朝日新聞。
野村克也さんがサッチーに先立たれた寂しさを述懐していて、自分自身が独り身になったことを想像し、いまその悲哀を疑似体験しているみたいだと思ってやはり男が先立つ方がいいのだと確信した。
二日前の朝日新聞にもしんみりくるような記事があった。
大阪の主婦の話。
毎日の食事をブログでアップしているとフォロワー数が10万に迫った。
夫が病に倒れ状況は変わったのに、幸せな食卓をブログで演出し続けた。
夫の病状が悪化し、もう限界だと真実をブログで明かした。
その後、夫は亡くなるが、その夫に届けるような思いでいまもブログを更新し続けている。
そばに人がいることの有難みと喜びを一人になるとひしと感じ、このような記事によって更に痛感することになる。
まもなく二男が起き出し、階下に降りてきた。
家内が作り置いていった牛丼の解凍はとっくに済んでいる。
あとは炊きたてのご飯に載せレンジでチンし温玉を落とせば出来上がり、である。
いま彼の地は深夜。
家内はスヤスヤ眠っていることだろう。
離れていても四人家族であることに変わりはない。