朝一番で奈良を訪れた。
近鉄奈良駅を降り朝食をとるため商店街に入った。
蕎麦屋や定食屋といった目ぼしい店はなくミスドかマクドの二択を余儀なくされた。
生まれてはじめてわたしはミスドで朝ご飯を食べた。
カウンター席の丸椅子に腰掛け壁を眼前にし、園児の給食のようなそばを食べコーヒーを飲んだ。
悪くない。
次回もミスドを選ぼうと思う。
ほどよく曇って冷気に満ち、奈良の路地道を歩くことは快適だった。
古雅な趣き漂う気の流れを胸いっぱい吸い込み、所々で足を止め街の情景に眺め入った。
午前中で仕事を終え大阪に戻った。
鶴橋で乗り換える際、冷麺が頭に浮かびアジヨシに寄った。
やはり美味しく、いつ食べても冷麺はほんとうに美味しくおまけにスープが栄養満点。
午後になって体調すこぶる良く気分も良く、キレキレで仕事が捗った。
ピッチャーで言えばボールがビュンビュン走る状態、打者で言えばボールがピタッと止まって見える状態と言えた。
だから夕刻、仕事をやり切った後は空腹を覚えた。
以心伝心、そんなタイミングで家内からメールが入った。
おいしい豚肉買っちゃいました。
やっちゃいましょう。
サムギョプサル、ボコりましょう。
やはり家内こそ我が家のリーチ・マイケルなのだった。
風呂を済ませ帰宅し、まずは前菜。
豆腐一丁と生ピーナッツで和えた菊菜と同じくおから。
飲み物は貰い物のいも焼酎。
まもなく豚肉がこんがりたっぷり焼き上がり種々の具材が所狭しとテーブルに並べられた。
家内と横並びになって分け合って食べ、今日の出来事について話し合い写真を見せ合い送り合った。
ちょうどそのとき長男から家内のiPhoneに写真付きのメッセージが届いた。
いくらを送ってくれてありがとう、助かっているとのことだった。
生筋子を買って作ってまた送ると家内は返信し、そうそう台風が来てるから明日は一歩もマンションから出ないようにと付け加えた。
やはり家内が司令塔。
オッケーとの返事がすぐ長男から届いた。
そうこうしているうち二男が帰宅した。
彼が自主トレに励む間、家内は新しく肉を焼き始めた。
量はわたしの三倍は下らないが長男が東京にいるので家内が肉焼く量は半分で済んでいる。