試合会場は関学三田グラウンドで開始は午前10時半。
だから朝一番、夫婦揃ってジムでのノルマをこなした。
いつもより早回しで一時間汗を流し帰宅してすぐ、三田に向けクルマを走らせた。
助手席に座る家内の二万語を聞くうち、最初の目的地であるエス・コヤマに到着した。
閑静な住宅街にあって場違いなほどの賑わい。
すでに長蛇の列ができていて駐車場も満杯だった。
事前に予約してなければその光景を前に尻尾巻いて逃げ帰るしかなかっただろう。
それでも予約者の列に並んで待つこと10分以上。
あと少しというところ、わたしたちの前の客が小山さんのサインが欲しいと言い出したから更に長引いた。
珠玉スイーツ群を保冷バッグに入れこの日の目的の半分は完了したも同然だった。
あとは二男の姿を夫婦で眺めて過ごすのみ。
晴天の空のもと広々とした敷地が更に大きく果てしなく見える。
日差しはあっても2月であるから山野を吹き渡る風はかなり冷たい。
そんななか日が傾く時刻まで何の変哲もないグラウンドに目を注ぎ続けるのであるから、ほんとうに親というのは変な種族である。
思えばわたしたちはずっと「変」で一貫し二人の息子に見入ってきた。
軽く言うなら共通の趣味であり、実を言うなら命も同然。
この日もたっぷり息子を注視し大満足。
そして、試合後はきまってうちの家が合宿所になるのだった。
だから帰途、わたしたちは家に集うであろう面々のための食材調達に走った。
が、結局息子らはガーデンズの大起水産で夕飯を済ませ甲南山手の森温泉に寄って帰ってきたので、家内が腕を奮うのは翌日に持ち越しとなった。
明けて朝、家内手作りの朝食が大阪星光の男子諸君に振る舞われることになる。