事務所のお使いで天王寺方面に出かけ、その足で家内は、きじ歯科西田辺診療所を訪れた。
診察を受けての帰途、家内から連絡が入った。
前日まで慌ただしくて疲れ果て、わたしはマッサージを受けたばかりだった。
あとはゆっくり休む。
そう決めていたので、早々に仕事を切り上げ家内と一緒に帰ることにした。
事務所で待ち合わせ、駐車場に向かった。
せっかくだから買物をして帰ろう。
家内がそう言い、わたしは商店街に連れられた。
まずは魚屋たこや。
プリプリのエビが家内の目に留まった。
この瞬間、明日の弁当のおかずはエビマヨと決まった。
続いてサザエ。
食べたいと漏らした息子の言葉を家内が忘れるはずはなかった。
加えてアサリ。
これは朝のスープとなるのだろう。
たこやの真向かいに先ごろ鳥清がオープンした。
元はウイステ野田阪神の地下にあった名店である。
置いてあるポン酢が旭ポン酢。
この一点から取り扱う品のレベルが見通せる。
煮たり焼いたり。
料理のアイデアがあれこれ浮かび、家内は思いつくまま大山どりの各部位を買い求めていった。
最後に、たまご蘭王も忘れない。
この卵をご飯に投下しカマダのダシ醤油を一周注げば、信じられないくらいにおいしい卵かけご飯が出来上がる。
そして仕上げは数軒となりにあるビッグビーンズ。
メロン、モモ、スイカといった果物類を買い、夜のつまみにするローストビーフ、朝食用のリングイネ、それに牛乳やらオレンジジュースを買い足して、ここで重量は持ち運びできる上限に達した。
荷物をひとりで引き受けクルマまで運び、そこで解放。
帰りは家内が運転してくれた。
帰宅しすぐに家内が料理を作り、わたしはオールドパーのハイボールを二人分用意した。
隣に座ってサザエつぼ焼きの身を家内が取り出してくれる。
まさしく滋味でカラダに染み入る。
そんな食事を堪能しつつ話題は息子の模試結果。
英数が上出来。
特に数学が素晴らしい。
この時点で兄貴を軽く上回っている。
あとは残り期間を駆け足し他科目の帳尻を合わせるだけ。
模試談義に花を咲かせていると、まもなく二男が帰宅した。
疲れて帰った息子を前に勉強の話をするほどわたしたちは野暮ではない。
家内が話題をきじ歯科の話に切り替えた。
先日、二男が訪れたとき、院長が直々歯石をとってくれた。
院長直々など滅多にあることではないと家内は力説するが、息子もわたしも男子校。
男前の院長よりも歯科衛生士さん、そう考えるのが人情というものだろう。
人気の院長は超絶に忙しく予約が取れない。
だから次は歯科衛生士さんに頼めばいいのでは。
わたしの言葉で息子の胸に希望の光が灯ったことは間違いのないことだった。
歯医者に行くのは希望の光。
さあ、明日も頑張ろう。