KORANIKATARU

子らに語る時々日記

分厚く堆積した可愛さの歴史

通りかかったなか卯で海鮮丼を頼んだ。

品にクーポン券が添えられていて、その紙片によって、遠い昔、長男が小学生だった頃の記憶が呼び覚まされた。

 

事務所で長男が勉強していたときのこと。

休憩の際、彼はひとりなか卯でご飯を食べた。

帰ってきて、彼はわたしにクーポンを差し出した。

その表情は、手柄でも取ったかのような誇らしさに満ちていた。

 

「これ、タダ券やで、パパにあげる」

 

クーポンなどといったものは、悪気で解釈すれば子供だましの一種と言える。

 

見事まんまと、その子供だましに息子は踊らされたようなものであった。

実に子どもらしい息子の反応が可愛くて仕方なく、その光景がまるごと愛おしく感じられた。

 

二男にも同様のエピソードがあった。

 

わたしは仕事、彼は勉強を終え、二人で事務所から駐車場に向かったときのこと。

うちのクルマのワイパーに手紙が差し挟んであって、小学生時分の二男がそれを手に取った。

 

「このクルマを売ってください」との記載があり、二男はそれを読んで照れて笑った。

うちのクルマが選ばれた。

二男はそう感じたのだった。

 

笑顔の中に誇らしさが見え、なんと可愛い、わたしはそこはかとない愛情を我が子に感じ、心のなか強く抱き締めた。

 

もちろん、かしこい二男はすぐに気づいた。

 

駐車場に停めてあるすべてのクルマに手紙が差し挟まれていた。

そのラブレターは自分だけに宛てられたものではなく、そこら中にばらまかれていたのだった。

 

大人のやり口を、彼が学んだ瞬間だった。

 

あの頃に較べ二人ともずいぶん大きくなった。

が、わたしの心のなかでは当時のまんま。

子らは子のままでこのうえなく可愛い存在であり続けている。

 

海鮮丼をかき込みながら、分厚く堆積した可愛さの歴史のなかに身を浸し、わたしは幸福に酔いしれた。

f:id:KORANIKATARUTOKIDOKI:20201001215411j:plain

2020年10月1日 息子の朝(特製カレー)昼(オムライス)

f:id:KORANIKATARUTOKIDOKI:20201001215414j:plain

2020年10月1日 夕飯 自家製ローストビーフのサラダ,はちやの餃子,テールスープ

f:id:KORANIKATARUTOKIDOKI:20201001215345j:plain

2020年9月下旬を駆け抜けたファストフードたち

f:id:KORANIKATARUTOKIDOKI:20201001215406j:plain

昔の10月1日 2017年 あつた蓬莱軒から名古屋,息子の夜食は味噌カツ弁当

f:id:KORANIKATARUTOKIDOKI:20201002090854j:plain

昔の10月1日 2007年 甲山森林公園

f:id:KORANIKATARUTOKIDOKI:20201002085040j:plain

プレイバック昔の写真 園児の頃の運動会,小学生の頃の遠足