火曜日夕刻、疲労を感じたのでマッサージを受けてから帰途についた。
このところ息子が夜食で肉ばかり食べる。
焼鳥でも買って帰ることにし、鳥芳に立ち寄った。
いつ来ても人で賑わい繁盛している。
炭焼きの風味がよく、ここの焼鳥は絶品。
息子の喜ぶ顔が頭に浮かんだ。
家に帰ると家内の表情が明るく色艶よく、顔のラインがいつもより締まって見え驚いた。
フェイシャルエステを受けてきたのだという。
あら奇遇、わたしはマッサージを受けてきた。
やはりどうやら、二人は中年。
人の手を借りねば、平素の暮らしもままならないということである。
この日も晩酌は缶ビールひとつだけに留めた。
そして前夜同様、西大和を懐かしむような話になった。
大学受験直前期、家庭をも巻き込む感じの一体感があった。
先生からしょっちゅう電話がかかってきて、わたしたちは何度も学校を訪れた。
受験は団体戦。
それを地で行く学校であった。
何かにつけ親身で熱心。
そういう意味で好みの分かれる学校と言えるだろうが、それ以前、近年難化が著しいから簡単には入れない。
実際、今年大阪星光では西大和第一志望者の辞退分を勘定に入れて合格者を出したが、皆が皆、西大和の合格水準に届いた訳ではなく結局、定員を大きく上回る入学者数になったと聞いた。
このことから難度的にもはや並列ではく縦列の関係になりつつあるのだと窺える。
もう2年も前のこと。
大学受験は苛酷であった。
楽勝と目される強者どもが臨んだ入試であったが、大勝はなく大敗もなくことこどくが僅差。
思い返しても肝が冷える。
そして、僅差に涙を飲んで捲土重来を期した者らは、今度はこれまたことこどく僅差で春に迎え入れられるという結果であったから、冷えた肝が凍りつく。
センター試験が行われた寒い朝。
試験会場へと続く道々に西大和の先生が立ち、会場に向かう教え子に声を掛けていた。
そのときはご苦労さまといった程度にしか思わなかったが、入試の苛酷を味わった後で思えば胸が熱くなる。
まさに戦場。
大学受験は、皆で総力結集し戦う場そのものであった。
受験は苛酷。
好きなところを受ければいいといった高みの見物が首を突っ込む余地はない。