業務を終え電車に乗ったとき、「いま、明石に着いた」とのメッセージが届いた。
10分後、明石駅の改札前で家内と合流した。
兵庫知事選は7月18日。
駅前で候補者が演説をしていたが人はまばら。
候補者の真横をやあといった感じですり抜けて、タクシーに乗り込み「樽屋町の交差点まで」と告げた。
目的地は近すぎた。
「明石市長は凄いですね」と家内が運転手に話しかけたところで到着。
雑談する間もなかった。
暖簾をくぐっていつもの座敷に腰をおろした。
夕刻のまだ早い時間だったが、店は賑わっていた。
やはり名店。
長く続いて客が絶えない。
家内はビールでわたしはノンアル。
それで乾杯し今日のおすすめ処を頼んでいった。
やはり美味しい。
懐かしの美味にくつろいで、子らが小さかった頃の思い出に耽った。
幼い二人は寿司などそっちのけ。
棚によじのぼり、置物にちょっかいをかけようとする度にヒヤヒヤしたことを思い出し夫婦で笑った。
そんな彼らもいまや大学生となった。
棚によじのぼらずとも置物に手が届く。
もはや寿司以外には見向きもしないだろう。
寿司大和は家族共有の貴重な思い出の地と言え、かつて母を伴い訪れた場所でもあった。
昨夏同様、墓参りの帰りにクルマを走らせよう。
そう家内と話し帰途の電車に揺られた。