子どもたちが小さかった頃、しばしば明石を訪れた。
おいしい寿司屋があるからその後も夫婦で訪れて、そのうちどういう訳かそこに複数のお客さんができ、仕事でも足を運ぶようになった。
ここら近辺にはない港町といった風情を醸し、だから明石に赴く際はちょっとした小旅行にでも出かけるようなワクワク感を覚える。
午後から業務に入って二時間ほどで完了し、帰途に就く。
この終わったときの感じもすごくいい。
旅情と解放感にひたりつつ車窓の向こうに広がる海を眺め、いま長男も旅路にあって道後温泉などの写真が随時送られてくるから、よい気分が更に増す。
このところデスクワークの比重が下がり、移動の機会が増えてきた。
近場であっても、移動することで得られる楽しさというものがあって、仕事自体は緊張を伴うものであっても、その「楽しさ」がすべてを上書きし、仕事が楽しいという状況がもたらされる。
なるほど、このようにして仕事が楽しく、仕事愛についての理解が最近より深まってきたのであるが、要は移動で、その要素が多ければ仕事自体がリフレッシュになるのであるから、わたしの今後の仕事スタイルはそれで決まったようなものである。
そして、その「どんどん動く」スタイルを支えるためにも運動が欠かせない。
帰宅後、家内とともにジムへと向かう。
泳いで筋トレし実に気持ちがよく、さらにサウナと水風呂で気持ちよく、終わってマッサージチェアに身を横たえて気持ちがいい。
なんて素晴らしい習慣なのだろうと家内と話しつつ、夕飯を作らずとも済むよう西宮阪急でちょっとした食材を買い、家でワインを開けて飲み始め、気持ちよく酔いが回ったところでやはり肉を焼こうと手分けし支度した。
朝日屋の松阪牛はめちゃくちゃ美味しく、配送もあると分かったから今後はこの店がわたしたちにとってメインの肉屋さんの一つになる。
移動し運動し肉を食べる。
本来的なヒトの暮らしのデフォルトをなぞる日常だからだろう、とても心が満たされる。