午後の予定が変更になった。
それで時間が空いた。
以前ならマッサージを受けに出かけただろう。
が、いまはジム。
二時間もあれば泳いでサウナに入れる。
事務所を後にし足はまっすぐジムへと向いた。
平日の午後、プールはガラ空きだった。
広々とした空間のもと思う存分手足を伸ばし水を切って泳いだ。
心身すべてが洗われて、真新しい自分になったかのような清々しさを覚えた。
そのあとサウナで過ごし、心ゆくまでマッサージチェアで背中をほぐした。
体調万全、気力も充実。
わたしは次の約束の地へと向かった。
午後八時、ミナミ。
店はカネちゃんが予約してくれていた。
カネちゃんが知り合いの先生を紹介してくれるとのことだったが、カネちゃんが現れるより先、店の前でわたしとその先生が顔を合わせた。
よい人物は、よい人物を通じて現れる。
とても感じよくハンサムな先生であった。
事務所をあげて貢献します。
そこまで話が進んだとき、カネちゃんが店の引き戸を開けて姿を見せた。
寿司は美味しく、わたしには友だちがいて、この日輪が広がって、たいへん魅力的な人物がまた一人、わたしの日常のなかに登場することになったのであるから、こんな素晴らしいことはない。
さらに加えて、食べて飲んでわたしは両先生におごってもらったのだった。
男五十三歳。
よい付き合いがあって、やりがいのある仕事があって、おごってもらえる。
ほおをつねりたくなるような話だろう。