夜が明けて家を出た。
朝の光に照らされ始めた武庫川を走り終え家に戻ると家内が料理作りに勤しんでいた。
米を炊きすき焼きを作り鮑を焼く。
あれこれ同時進行で進める動作が連関しあって手際がいい。
わたしも少し手伝い朝の食卓が仕上がった。
天窓から朝の光が降り注ぐ。
息子を交え三人で食べ、ゆっくりコーヒーを飲んだ。
朝から家内は饒舌で、家内にとって家族で食事する時間こそが最上のものなのだということがとてもよく理解できた。
食べ終えてわたしたちはクルマで京都へと向かい、息子は友だちと連れ立って電車で京都へと向かった。
大晦日を京都で過ごす。
かねてよりそう決めていてわたしたち用に木屋町、息子とその友だち用に東山のホテルを予約してあった。
別行動だが京都という場所は同じ。
異なるアングルで年の終わりの古都の空気を伝え合う。
そんな時間の共有もなかなか乙なものだろう。
ちなみにもう一人の息子は東京にて、わたしたちと互いの時間を共有し合う。