前夜、飲みすぎた。
だから朝一番で泳ごうと思ってジムに向かったがプールはご老人らで溢れたいへんな混みようだったので引き返し、武庫川を走った。
と、前方から走ってくるのは長男。
彼にとっても武庫川は走り慣れた馴染みのコースであり、帰郷すればここを走るのは当然のことであった。
まるでいつもそうしているみたいに、やあ、と手を上げすれ違った。
昼に奈良での業務があった。
が、コロナの影響でオンライン会議となったので、自宅にて対応し、その他業務も早々に片付け、家内を乗せて京丹後に向かった。
フィールドホッケー成年の部の近畿予選が行われ、二男が大阪代表として出場し兵庫代表と対戦することになっていた。
生まれは大阪天王寺、育ちは兵庫西宮、現住所は東京杉並であるが出身高校が大阪であるから大阪代表ということになる。
名神から京都縦貫道に入ってひた走り、緑豊かな山里である京丹後の地に降り立った。
競技場の人工芝は背景の緑をバックに鮮やかよく映えて、試合前にグランドに水が噴射されたときには四方に虹がかかり決戦に色を添えた。
息子の試合を観戦するのは久々のことだった。
わたしたちは息子を注視した。
試合の行方については二の次という話だった。
大阪チームには早稲田の選手が三人入っていたが一体それが何だったというのだろう。
兵庫ははるかに強く、大阪は全く太刀打ちできず0対4のスコアで大敗を喫した。
それでも親としては息子の勇姿をこの目にできたのでマル。
試合後に集まった全選手の記念写真を夫婦で撮って、息子たちは星光ホッケー部OBらも合流する打ち上げの場へ向かい、わたしたちは二男の話題をクルマに満載して帰途に就いた。