毎日楽しそうに料理をこしらえ、土曜日に息子たちに向け食料を送った。
ずいぶん多くの品目を詰め込んだからそれで十分なはずであったが、家内の辞書に百点満点という言葉はない。
このところ大阪は寒く、東京はもっと寒い。
だから辛味のある食料を加えるべきだった。
折しも時は辛味ブーム。
私としたことが、、、
日曜の朝、提出し終えた答案のミスに気づいた学生のように家内は悔いた。
しかしそのまま残念がって済ませる家内ではなかった。
冷え込む朝、ランニングを終えたばかりのわたしを荷物運搬役として駆り出して、家内はクルマをコリアンタウンへと走らせた。
気温は0℃。
朝方のコリアンタウンは、まるで本場ソウルのように凍てついて人もまばらだった。
プロの業者も仕入れに使う「高田商店」と「大黒や」へとまっすぐ向かい、見るからに辛そうな真っ赤なキムチや辛そうな味噌などあれこれ買い求めて長居は無用、今度は鶴橋へと足を向けた。
ここまでくれば肉類も忘れる訳にはいかなかった。
新鮮さでは随一の「斉藤肉店」で蒸し豚、同じく「山吉商店」でテールを一本買い、今後に備え「岡村商店」でコリアンフード用の土鍋とキムチを保管するための器などを買い求めた。
これで家内の「テスト直し」は完了をみた。
買い物を終え、引き続き冷え込んでいたから熱々のスープを食べようと上本町の「海南亭」を訪れた。
肉を焼きスープを飲んで冷麺で締め帰途につくが、ちょうど大阪女子マラソンが始まって交通規制が敷かれていた。
市内を西側へと進めずやむなく大きく東側へと遠回りし、東大阪の高井田から高速に乗った。
どのみち日曜日でこのあと家内はヨガへと行きわたしはジムに行くだけのことであり時間はいくらでもあった。
運転しながら、家内が月曜日に送るラインナップについて構想を語った。
すでに買ってあるスパイスをブレンドしカレーを作り、ついでにハンバーグも作るという。
特製カレーに真っ赤なキムチ。
追送する辛味として申し分ない。
彼らも大いに喜ぶことだろう。
このように、平日はもちろん週末であっても家内がうすらぼんやり過ごすといったことは一切ない。
だからだろう。
うちの家族に無為の付け入る隙は全くない。