KORANIKATARU

子らに語る時々日記

それがあるからまた訪れる

朝起きて、特に用事は何もない。

だからわたしはまっすぐフィットネスに向かった。

家内は開店と同時に百貨店を回るというので別行動となった。

 

18階のプールの窓は大きく広く、全方位から光が差し込み水面を照らしていた。

そこで泳ぐと自分までキラキラするかのようで、日頃なかなかそんな感覚は得られないからいつまでもわたしはその光のなかを行ったり来たりして過ごした。

 

へとへとに疲れ果てて入るジャグジーが全身に心地よく、正面に見える大名古屋ビルヂングが朝陽を受けて輝きその輪郭が見事な青で縁取られて目まで心地よく、日曜朝からわたしは至福にひたった。

 

サウナを終えて部屋に戻るとちょうどチェックアウトの頃合いで、わたしは家内の分まで荷物を運び階下に降りた。

15階のロビーで荷物を預け、そろそろ昼。

わたしはそのまま13階にある山本屋総本家に向かった。

 

20分ほど待ったところで席に案内され、そこで家内を呼び出した。

まもなく階下にある高島屋を後にして家内が姿を現した。

 

家内は定番メニューである親子煮込みうどん、わたしは期間限定メニューである名古屋コーチンつくね入り煮込うどん一半を頼んだ。

ふうふう言いながら食べるが、やはりうまい。

この味に引き寄せられて、わたしたちはまた名古屋を再訪することになるだろう。

そう確信した。

 

食後、駅前のロータリーからタクシーに乗って熱田神宮を目指した。

着くとそこには樹木が生い茂り荘厳とも言うべきよき香りが満ちていた。

 

神域へと一歩足を踏み入れた途端、厳粛な気持ちになって本殿にて夫婦で手を合わせ頭を下げた。

本殿に向き合う時間はわたしより家内の方がはるかに長く、その長さが子どもたちへの愛の深さを如実に物語っていた。

 

帰りは名鉄の特急を使って名古屋に戻った。

ホテル2階のクルマ寄せで荷物を受け取り、駅でみやげを買って、午後3時、名古屋を発った。

 

2時間ほどシートに横たわって安らいでいるうち、鶴橋駅に到着した。

環状線から阪急電車を乗り継いで、武庫之荘に着いたのが午後5時56分。

そこから歩いてちょうど4分。

わたしたちは焼鳥谷口の開店時間にドンピシャ間に合った。

 

おいしいものばかりを食べて過ごすこの週末の「とり」は天才谷口。

鶏が旨いのは当たり前、そのうま味を活かし椎茸だって蓮根だって見事な味わいの品へと変貌させるのであるからその技量は魔術の域。

いよいよ真打ち登場の時間と相成った。

2023年1月15日 名古屋

2023年1月15日昼 名古屋 山本屋総本家タワーズ店

2023年1月15日午後 熱田神宮

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2023年1月15日夜 武庫之荘 焼鳥 谷口