KORANIKATARU

子らに語る時々日記

人生愛がMAXになるのはだいたいが土曜日

新緑が香って澄んだ空気がとても清々しい。
そんな土曜日の朝、家内に連れられ近くのカフェでコーヒーを飲んだ。


特に用事は何もない。
休日の解放感に手足を伸ばすようにしてひたった。


ホテルに戻りロビーで買った軽食をお腹に入れて15階のフィットネスへと向かった。


視線の向こうに東京タワーを眺め家内と並んでトレッドミルにて傾斜を駆けた。


続いて16階のプールへと移動した。


贅沢な空間に心身を解き放って泳いでいると、後から入ってきた男性にわたしたちは話しかけられた。


わたしたちの泳ぎ方について彼は問題点を指摘してくれた。


クロールする際、カラダのセンターラインを意識してそこに腕を着水させる。
わたしも家内も学校の水泳教室でそう教わった。


リチャードは言った。
それだと水をかくパワーが減衰してしまう。


例えばプールサイドへと上がるとき、両手を広げた方がカラダを持ち上げやすい。
リチャードはプールサイドに手をついて実演して見せてくれた。


なるほど、プールからあがるとき、腕をせばめて手をついてもカラダは持ち上がらない。


ワイドに腕を広げる感覚で水をかいた方が負担が少なくスピードも出る。


彼の指摘を反映させ腕を広げ両輪をぐるぐる回すようにわたしたちは水をかいて泳ぎ、息継ぎの際の頭の動きも最小限にし、水面から僅かばかり口を出し呼吸するようにした。


そのようにリチャードの指導のもと何度も泳いで型をインプルーブさせていった。


合間、いろいろ言葉を交わした。


リチャードはサンディエゴで不動産会社を営んでいて、今回はじめて日本を訪れた。
手始めに東京を観光し、明日から箱根、京都、金沢、日光を回る予定なのだという。


まもなく彼のワイフと娘がプールサイドに姿を現した。


挨拶し、そこがちょうどいいタイミング。
時計を見ると昼をとっくに過ぎていて、息子との待ち合わせの時間が近づいていた。


レッスンについて礼を述べ、教わったことは一生忘れないとわたしは言って、家内はインスタのアカウントを交換してから彼らとわかれた。


旅すれば不思議な出会いがひとつふたつと増えていく。
人生は長い。
彼らと再会するようなこともあるだろう。
そう思えば実に楽しい。

2024年6月1日朝 WHITE GLASS COFFEE

2024年6月1日 ホテルのフィットネスとプール