朝と昼に不満はないが、夜が課題。
事務所至近の場所に松屋となか卯があって早朝から食事にありつける。
昼も選り取り見取りで申し分ない。
界隈はラーメン激戦区。
自ずとラーメンを選ぶ頻度が高くなる。
そのなか中華そば ふじいが特筆のおいしさであるからこのところヘビロテ気味になっている。
さて、問題は夜である。
飲み屋は数多くあるけれど、長居して喋るという客が複数あると躊躇われ、コンビニで惣菜を買って済ますという形に落ち着いた。
それでまもなく3週間となるが、さすがにコンビニ食が続くと食傷気味になる。
この日はだから少しばかり趣向を変えて、棚に陳列される惣菜ではなくレジ横の揚げ物などを買い求めてみたのだった。
存在は知っていたが、口にしたのは生まれてはじめてのことだった。
ビールで流し込みはしたものの、粗雑な舌触りが最後まで残り、流し込んだ先で胸焼けが発生するのは間違いのないことだった。
若い胃腸でないととても対処できない。
かといって、息子らに食べさせられる代物ではない。
そう結論し、この歳になってこれらをついばんだ我が身を自省した。
食が悲しみを誘うこともある。
そう身をもってわたしは知った。
さて、明日からどうしようか。
わたしの思考は振り出しに戻った。
朝昼と同様、夜も飯屋で済ませればいいのではないか。
あるいは、もう日常も回復したのだし飲み屋解禁でいいではないか。
さしあたって当分は両方を交互に取り入れその一長一短を検討し、一日のクローザーとしてどちらが相応しいか、ゆっくり決めればいい話だろう。
人は誰でも裸で生まれて孤食に行き着く。
そしてその孤食こそが生き様を物語る。
半生を終え、ようやくわたし自身のスタイルが形を得ようとしている。