この日も全力を出し切った。 クタクタではあるが草臥れ具合が心地いい。 帰途の電車に乗って出し抜けに思う。 自分が二人いたらどれだけ仕事が捗ることだろう。 その想像が楽しいイメージを数珠つなぎでもたらすので吊り革につかまりつつ空想に耽った。 漫然…
路上を少し歩くだけで汗ばむ夏日。 こんな日は仕事後の風呂が格別となる。 最終地点は門真。 事務所に戻って残務をこなし、風呂屋に寄ってザンブと湯船に飛び込んだ。 熱い湯に疲労が燻され、湯気とともに雲散霧消し清々しい。 風呂をあがると家内からメッセ…
前夜食べすぎたので朝食はとらず空腹のまま一時間ほど武庫川を走った。 曇天から快晴。 次第に天気が良くなって視界広々として良好。 気分まですっかり晴れ渡り、シャワーでたっぷり水を浴びて心気再生の喜びにひたった。 昼からは家の片付け。 音楽のボリュ…
土曜日、業務完了が午後7時。 そこからジムに向かいマシンで走ってサウナで汗を流した。 夕飯は9時。 日曜を前に居酒屋は混み合っていた。 料理を一つ一つ待つ間、スマホを眺める。 二男からメッセージが届く。 定期代が要るという。 それに日曜の映画代と…
三人寄れば文殊の知恵というが、もしうちに三人目がいたらどうであっただろう。 金曜夜、ジムを終え風呂を済ませ、ひとり居酒屋でビールを飲みつつ想像を巡らせた。 上の二人は生真面目からはほど遠いが根は真面目。 だから無軌道になることはなく、この先よ…
何年も昔のことなのに、その母はママ友の言葉を忘れていなかった。 娘が通う学校のことをバカにされた。 娘がバカにされたのではない。 学校について軽口を言われただけのことである。 しかも、軽口を叩いたのはママ友本人ではない。 そのご主人が言った話を…
但馬屋と言ってもいろいろあって、梅田にある但馬屋イーマは別格であった。 肉屋で食べる肉はたいていうまい。 が、ここはずば抜けていた。 口の中でふんわりとろけ、そこから全身へと幸福感が広がっていき、二口目以降もその幸は薄れることなく膨らむばかり…
メトロ谷町線平野駅3番出口をあがってすぐ左、角に黄色い建物が見える。 建物自体は街並みに溶け込む一軒家である。 が、色が色なので天気が晴れであれ曇りであれ、ひときわ目立つ。 地域に根ざし地域の方のための医療を行う。 それが金城院長の理念である…
家内がびっくりしたような顔をした。 無理もない。 店に入ってきたのがユーミンなら誰だって驚く。 場所は西天満のエスサワダ。 時刻は午後6時50分。 この夜は家内が店を予約した。 当初家内は北新地の善道に行くつもりだったようだが、思いついてすぐ席…
大阪が活動の中心であるから星光受かったよといった話をたまに耳にする。 たいていは仕事を通じての知人の子の話。 どちらかと言えば疎遠な関係であるから近況を継続的に聞くことはない。 それでも母校の後輩であることに違いはないので忘れることもない。 …
朝、家内は二男の朝食と弁当の支度をし、わたしはケルヒャーを使って玄関先を洗い流した。 8時過ぎに家を出てJR芦屋駅を降り、まだ咲き残る桜を芦屋川の両岸に見ながら歩きロックガーデン入口に着いたのが9時5分。 春快晴の陽気に誘われてか方々から人が…
夜10時、塾を終えて息子が帰宅した。 実力テストの数学が抜群の出来であったと満足そうに語りながら夜食として用意されたポークチャップと特製おにぎり、そして買い置きしてあった豚まんを頬張る。 数学の方ではなく、美味しそうに食べる息子の様子に家内は…
木曜夕刻、7人の若い事業主に囲まれた。 話に熱が入り想定していた1時間ではとても足りず、決めるべき事項の目鼻は整ったにも関わらずエンドレスなミーティングとなる雲行きとなった。 家内との待ち合わせ時間が迫る。 状況判断に迷う。 途中、彼らのうち…
出先にて業務を終えビルを出ると雨は上がっていた。 ビル入口の傘立てにビニール傘を進呈し荷を減らす。 が、疲労あってこの日の曇天みたいに身体が重く、家に帰るのが億劫に感じられた。 こういうときは一息入れるに限る。 事務所前の居酒屋に入って軽く喉…
ジムを終え風呂もあがっての電車での帰途、ランダムに流す音楽が映画「ロシア・ハウス」のテーマ曲Katyaになった。 みそぎを終えた後同様、心身内部の不浄がミニマムの状態であったからいつにも増して音が深く深く沁み入った。 車内の誰かと目が合うが、こち…