KORANIKATARU

子らに語る時々日記

どんぐりの背比べ症候群にアーメン


今週は連日長距離運転が続いた。
年末駆け込みの依頼が相次ぎ日中は東奔西走。
いきおいデスクに向かう時間が極端に目減りすることになる。
土曜になってようやく日記にあてる時間を捻出できた。

午後の課題が早めに仕上がったので久方ぶり日記の上で過ごしている。
バタバタ右往左往する業務消化の時間に比べ、頭を巡るあれこれしたためる日記の時間の何と静謐なことであろう。


世間にはインフルエンザ予防接種など百害あって一理なしと非合理の極み宣う異端者が少なからずいるという。
どう判断しようが人の勝手ではあるけれど、社会衛生的なリスク管理という観点で見ればなんとも心もとないことである。

エボラでの死者が5千人を越え世界は驚愕しているが、インフルエンザについては日本だけで毎年1万人が死んでいる。

少しでもリスクを軽減できるよう我が家は毎年接種を受けている。

昨日二男が鷲尾耳鼻咽喉科で二回目の予防接種を受けてきた。
私は来週、学校帰りの長男と待ち合わせし阿倍野の田中内科クリニックにて親子でワクチンを注入してもらう。

折角なので長男とどこかで食事でもするつもりである。
さてどこで何を食べようか今から楽しみでならない。


週末の仕事を終えた後、二男の迎えがてら上本町に向かう。
クルマを停め買い物していると、知った顔を見かける。
知人の息子さんだ。

塾帰りだと言う。
目指す高校を聞くと彼はきっぱり北野高校と答えた。

北野高校と言えば、名門中の名門、言わば大阪高校群のフラッグシップみたいな存在である。

部活に励みそして志し高く塾で猛勉強する。
まだあどけない中学生の橫顏が凛々しく見えた。


上本町は塾だらけ。
関西中の名だたる塾が軒を連ね互いにしのぎを削っている。

塾は商売だから、たかが「どんぐりの背比べ」程度のことであっても、天地の差があるかのごとく競争煽って、そこそこで十分満足なはずの穏当な父兄をその気にさせて財布の紐を緩ませる。

どんぐりAよりはB、BよりはCがいいと、まるで部族の呪術さながら序列を植え付け教化する。
どんぐりの背丈が金になる。
まるで錬金術である。

しかし事の真相は、AでもいいしBでもいいしCでもいい。
所詮はどんぐりの背比べ。

ある観点では、Aがいい。
ある人にとっては、Bがいい。
切り口はいくつもあって、価値評価など絶対的には定まらない。

呪術に骨まで毒され、ここで会ったが百年目、親の仇だ、いざ勝負と「背比べ論争」に明け暮れ、サルが縄張り争うみたいに互いを罵り傷つけあう輩が後を絶たない。

しかし私たちは心得よう。

志しこそ全て。
各者各様の背景と経緯のなか、それぞれが何かを目指す。
そこにあてがって測る単純な物差しなど存在しない。

志しこそ尊ばれるべきものであり、
見事踏破果たせたならば、誰だって拍手喝采の対象だ。

私たちは誰一人として匿名の者ではない。
名があり家族があり属するコミュニティがある。

他者に対する畏怖と尊重の念を絶対に忘れてはならない。