1
いつも思うのであるが弁護士というのは何であんなに頭がいいのだろう。
夕刻半時ほど対面しただけで頭の交通渋滞は一気に解消した。
電車で10分、西天満の交差点にあるパークビル3号館10階の一室で最強の頭脳にアクセスできた暁には、頭上覆う夕闇おしのけ澄み渡る晴天が訪れた。
持つべきものは文字通りブレイン、貧相な脳ミソで鬱々考えても仕方ない。
弁護士という外部頭脳が、気重な宿題を一気軽快に片付けた。
鼻詰まりなら、わしお耳鼻咽喉科か瀬尾クリニックもしくは中澤耳鼻咽喉科医院、心が詰まれば言わずと知れた、きょうこころのクリニック。何となく不調、そんな体調の詰まりならまずは阿倍野の田中内科クリニック。
そして、頭が詰まれば、ブレイス法律事務所ということであろう。
弁護士は何も法律だけを扱うのではない。
どう考えるか、それを助ける思考論理のプロフェッションであり、事態が錯綜し思考論理が停滞したならまずは真っ先、弁護士に相談すべきということになる。
早稲田エンジの弁護士軍団が最強であることは論を俟たないがそれも京大弁護士を蚊帳の外にしての話かもしれない。
まるでサンテドウ、渡邉弁護士によって、視界パッチリ前途開けた。
タフでホットでウェットでシャープ、渡邉先生に感謝である。
2
帰途駅前の回転すしで食事を済ませ自宅に戻ると、長男が試験勉強に勤しんでいる。
家内は二男と映画でデートだという。
横から割って入って長男に春期講習を勧める。
毎日毎日途切れなく忙しくしているのに春にぽっかり空白があると落ち着かないだろう。
そう思って勧めるが、長男は首を縦に振らない。
たった5日間だけのコース、可愛い子もいると思うよ。
そう長男に付け足し言う私は場末のポン引きみたいなものである。
3
一難去ってまた一難。
どうやら私は感染性胃腸炎。
このところ大流行中だと他人事のように聞いていたが、他ならぬ当の私がそうなった。
何とか事務所にまでやってきたが、もはや動けずここで鎮座。
精神一到し、気合で治す時間をしばし過ごす。
デスクに向かえば病気も逃げる。
お腹痛いので仕事できません、口が裂けても書類屋はそんなこと言わない。
黙って書くだけのことである。