1
西九条は大福湯。
二男はここのサウナがいたく気に入ったようである。
2日連続で訪れた。
サウナで寝そべり脱力し心底リラックスする時間を過ごす。
繰り返し水風呂に入る。
私が水風呂にざんぶと入ると地元小学生の二人連れが指差し笑う。
珍獣か何か、ユーモラスな図に見えるのだろう。
私は4回、二男は5回入って、完膚なきまでに夏の疲労を叩きのめし息吹き返した。
2
クルマを駅前に停める。
テイクアウトの寿司を鮮や丸に注文してあった。
寿司桶を運び自宅に向かう。
AМラジオで野球中継を聞く。
1対0、タイガースがリードしている。
投手は岩崎。
充実の投手陣について話題は尽きない。
と、満塁のピンチが訪れる。
ハラハラドキドキが堪え難い。
二男はチャンネルを変えようと言う。
一時、音楽にし野球に戻る。
アナウンサーが嘆く。
ああ、大和だったら取れていた、いや、オコエでも追いついていたでしょう。
センターへの飛球に伊藤隼太が追いつけなかったようだ。
走者一掃となって1対3。
続く打者の打球にアナウンサーが悲鳴を上げる。
スリーラン。
あっという間の奈落、1対6となった。
3
二男が言う。
何の得にもならないのに、なんでタイガースを応援し、勝てば喜んで負ければ落ち込むのだろう。
43号線の向こう、煌々と光る甲子園球場のナイター照明が見えてくる。
指さして二男に言う。
おらが町のチームなのである。
郷土愛のようなものだから、どうしようもない。
世界のどこにいてもタイガースを応援することはやめられない。
二男は頷く。
まもなく家に到着。
「世界の果てまでイッテQ!」が始まる時間には間に合った。
さあ、家族で寿司だ。