アイスを買ってきて、と息子からメールが入った。
自宅に帰る途中、セブンイレブンにクルマを寄せてハーゲンダッツの新製品を見繕う。
わたしが家に戻った直後、息子たちも帰宅した。
ただいまとは言わず腹減ったが年頃男子の第一声だ。
家内が夜食の支度を始める。
今夜は中華丼。
どんぶりをわし掴みにし、飯かっ食らう威勢の良さに思わず見とれてしまう。
痛快。
夜10時を回ってこの活気。
ここ男子宿舎の熱量は近隣周辺よりはるかに高い。
中華丼の後、即座アイスは跡形もなくなった。
そして、明けて朝の5時過ぎ。
子らが始動する。
腹減った、が目覚めの挨拶。
家内は特製の卵のせ焼きそばを焼き始め、子らはぺろりと平らげついでに茹でられたパスタも根こそぎ彼らの胃袋に収まった。
そして、食うが早いか弁当を携え家を飛び出していく。
先日の月曜日、子らのたっての要望があって、わたしはうなぎを買い求め名店川繁に足を運んだ。
が、午後3時の時点ですでに完売。
品切れを伝えたとき子らは慟哭した。
今日水曜、同じ轍踏まぬよう父はもっと早い時間に店を訪れる。
こんがり焼けた大ぶりのうなぎを確保し、二尾引っ提げて帰還するつもりだ。
今夜、どんぶり鉢に捧げられるのはうなぎ。
今か今かと待ちわびる彼らの腹の音は肉食獣の咆哮というしかない。