待ち合わせ場所は4号門。
すでに安本先生がスタンバイしていた。
座席はSMBCシートの3段目。
つまりベンチの真上であってほぼ真ん前。
グランドにあぐらかくかのような目線の先でプロが野球しているのだから、こんな値打ちある席はない。
先発はメッセンジャー。
広島を3タテ、春の夜の夢をみるトラキチ達は楽観ムードに包まれていた。
が、何が起こるか分からないのが野球であった。
夢は2回で潰え、いいことは広島カープにだけ起こる試合となって、タイガースには何も起こらず、何も起こせなかった。
頭から尻まで9番バッターがずらりと並ぶ打線であるというのがタイガースの真実で、その貧打ぶりは、わたしたちのぱっとしない日常を映し出しているようなものであった。
つまりは目を背けたくなるような有り様。
しかし甲子園球場は何も野球だけがすべてではない。
焼き鳥の存在感は野球をも凌ぐ。
ジャンボ焼き鳥、イカ下足、ジャンボ鶏皮、復刻アカニシ貝、4本だけでも壮観な眺め。
これでビール飲めるのだから贅沢な話である。
焼き鳥のほか推薦したいのが、ピザーラエクスプレスの2ピースセット。
食べごたえあって美味しい。
屋外だから味わいも増し、わたしと安本先生はともに2枚をぺろりと平らげた。
そして忘れてならないのが銀だこのタコ焼きだろう。
外側のパリッとした焼け具合が実によく、食べ始めるとやめられない。
試合が終わってバスに乗り、甲子園口駅真ん前のバーSub-Chanで反省会。
酒に弱くなったと二人してしみじみ語り、2杯でお開き。
しみじみ飲んで語らった仕上げの2杯が、実はこの日もっともいいお酒だったように思う。