タイガース戦のチケットを4枚いただいた。
コロナの影響もあって最近会うことのなかった義弟とその息子くんを誘った。
うちの家で待ち合わせて、息子くんの宿題が終わったところで出発。
計4人でタクシーに乗り南へと向かい、途中、名店鳥よしに立ち寄って家内が焼鳥を買い込んだ。
試合開始となる午後6時ちょうど、甲子園球場に足を踏み入れた。
グランドが視界に入って、毎度感じる。
なんて美しいのだろう。
また座席が素晴らしかった。
ボールの質感まで伝わってくるほど間近で選手らがプレーしていて、野球の迫力を余すところなく感じ取ることができた。
だから、同行したちびっ子は大いに喜んだ。
大人は積もる話を語り合い、ちびっ子は選手の一挙手一投足に大はしゃぎした。
9回裏、大山の同点ホームランを目にすることができた。
レフトスタンドに吸い込まれていくボールの軌道がいまも目に鮮明であり、噴き上がるような歓声がいまも耳に残る。
ちびっ子にとっても忘れ難いタイガース体験の一場面として永く脳裏に刻まれることだろう。
そして、11回にマウンドに上がった湯浅のボールが凄かった。
登板した誰もが150キロくらいのボールを投げていたが、湯浅の球は同じ150キロでも唸る豪速球といった別種の勢いを有し、ミットを高らか鳴らすその投球を目にすることができただけでも球場まで足を運んだ甲斐があったというものであった。
で、結局、12回になって崩れ去り、タイガースは「トラ」でなくなり、もはや見ていられないという弱小さを晒したが、ちびっ子はそれでもあきらめずトラが本気出すことを信じて声援を送り続けた。
午後11時に試合終了。
ちびっ子の声援に応えるヒーローは現れずじまいだった。