習慣だから朝早くに目が覚める。
コーヒーを飲み新聞に目を通しているうちに6時を回る。
が、電車は次第混み始め8時を越えるまでとても乗れたものではない。
こんな風に朝の2時間を家でのんびり過ごすようになって数カ月は経過するだろうか。
かつては目が覚めると同時、仕事に出かけた。
始発が動き出す前ならクルマを使った。
仕事人としてそれが先手必勝、快調な一日を送るための出だしの鉄則だった。
いまやスローなスタートに慣れ早朝出勤などほとんどしない。
朝から出力全開というのが苦痛に感じられるようになったし、実際、何もそこまで慌てることはないのだと身をもって知った。
世間と同様、朝9時から仕事を始めて困ることなど何もない。
幸い、家内はお茶が趣味。
日本茶に紅茶、各種のお茶を淹れてくれるので、朝、手持ち無沙汰になることはない。
夫婦であれこれ会話しつつ、電車が空く時間を待つ。
空が明るくなって空気も澄んで、一日のうち最良の時間。
せっかくの人生。
そんな時間をしみじみと愛で言祝いでもバチは当たらないだろう。
味気ないことにかつては朝に暮らしがないも同然だった。
まもなく中年も半ばに差し掛かるが気力体力は衰えるどころかますます盛ん。
若気の気負いがいい感じで抜けて融通無碍、自身のペースで毎日を楽しみながらこの先も長く仕事し続けることになるのだろう。
そもそもがそうでなければ長くは続かないという話であるから、朝の時間ひとつとってもうまい具合にシフトチェンジができているということなのだろう。