家族4人でキャンプに出かけ、木々の香りに安らぎを覚えつつ火を囲む。
飯盒で飯を炊き、さあ夕飯。
ちびっ子ながら旺盛に食べる子らがとてもかわいい。
で、目が覚めると日曜の朝。
心地よい余韻とともに休日のくつろぎに憩った。
いつまで経ってもわたしのなかで息子らはちびっ子。
そんな心象風景が明るみとなる夢だった。
東京にいる長男を除いて家族3人。
リビングでめいめいが喋って食事して、でかい図体の二男を見送った。
夫婦でジムに出かけて一日の務めを果たし、空には雲ひとつなく、あとは自由。
京橋まで電車で一本。
降りた後も一本道を進むだけ。
大観苑はホテルニューオータニの3階にあった。
ふかひれ、えびちり、北京ダック、点心、ふかひれ天津飯といったスター級の食材を堪能した後、最上階にて大阪城を見下ろしお茶してケーキを食べた。
たまにこうして夫婦でのんびりするのも悪くない。
引き続き空には雲ひとつなく、わたしたちは自由。
大阪城公園をぶらり歩いて電車に乗って梅田に向かい、人出が少なく驚いた。
10%の優待があるというので阪急百貨店で家内の買い物を済ませて帰宅。
そしていつしか薄暮という時刻。
今朝の夢を思い出し、わたしは本棚にしまってあった大昔のアルバムを取り出した。
家内とスパークリングを飲みながら懐古談にふけって思う。
その昔、子らは小さく、家内は若く美しく、わたしは見るからに頼りない駆け出しの若造だった。
なんとか無事、遠いその昔から家族揃って現在地点までこぎ着けた。
数千日にもわたって子らが元気で健やかであることが何か一種の奇跡のように思えた。
家内も思いを同じくしたのだろう。
その場で長男に電話をかけ、送った料理について感想を聞き、「これから友だちと食事に出かける」と言って長男が電話を切るまで、家内は他愛のないことを話し続けた。
夫婦でアルバムのページを繰ってあとは二男の帰りを待ちながらザ・マンザイを見るだけ。
ふと思う。
あと一万日もすれば、わたしたちにはもう何もすることがないだろう。
が、このアルバムがあれば大丈夫。
一種の奇跡がさらに日数を重ね登場人物を増していく。
それに喜ぶ残りの日々、その源流を思って心満たされるからわたしたちが空っぽになることはない。