道中、わたしは連絡業務をこなした。
運転は家内。
天理東で高速を降り試合会場に着いたとき雨は本降りとなった。
激しさ増す雨を夫婦で鑑賞するみたいにし開始時間までクルマの中で過ごした。
幸い試合が始まるとき、雨脚が弱まった。
グランド袖で目を凝らす。
二男が現れた。
貫禄たっぷり。
ゆっくり歩いて、そして徐々に加速し走ってポジションに向かう二男の背に夫婦して目を注いだ。
大阪代表が京都代表をくだしたのは初めてのことだった。
二男が左サイドから駆け上がり巧みなドリブルでゴール前まで迫るシーンが二度あり、周囲から「うまー」という感嘆の声が上がったのでわたしたちは大満足だった。
試合後、午後2時にようやく昼食。
三輪山本にてそれぞれ冷たいものと温かいもの計3品を注文し二人で食べ分けた。
さすが老舗名店。
どれもとても美味しかった。
食後、売店で天六のいんちょに渡す手土産を選びそして食材調達。
向かうは、まほろばキッチン橿原店。
大和牛に大和ポーク、ヤマカツの素麺、そして野菜と果物。
カゴ二つに及びこれだけ買ってもお代は二万。
家の近くにあればいいのにと夫婦で話し合いつつ手分けしてクルマに食材を搬入した。
連絡業務があったので帰りも家内に運転を頼んだ。
途中渋滞もあったが午後5時には家に着いた。
しばし休んでまた降り出した雨のなか電車で北新地に向かった。
この夜は夫婦で指折り数えて待った、ほうばの日。
天六いんちょのおかげで二人分の席にありつけたのだった。
わたしは天六いんちょの隣に腰かけ家内はその前に座った。
そのほか天六いんちょの医者仲間などさまざまな方が席に着いたが、その顔触れが彼の顔の広さを物語っていた。
シャンパンが開けられ、ハイボール、チャミソル、マッコリと飲み進み、料理はフカヒレのチヂミ、あわび粥、松茸スープ、雲丹、カルビ、すだち冷麺、マンゴーというラインナップであり豪華の極み、すべて絶句するほど美味しかった。
払いは二人で五万円。
五万あれば夫婦で一泊二日の旅行ができる。
そんな話をしながら行き先について思い巡らせ、電車に揺られ家に着いたときには時計は11時を回っていた。
次回のグルメ紀行では天六いんちょ夫婦とうちの夫婦4人で寿しおおはたを訪れる予定である。