KORANIKATARU

子らに語る時々日記

東京にお兄ちゃんが二人

甲子園球場を後にして、タクシーを探しながら甲子園筋を4人で歩いた。

夜11時であるにもかかわらず家内の甥っ子が弾むように歩いて、その元気さがうちの長男、二男の面影に重なった。

 

昔、二男は塾の帰りにここを走った。

そんな話を甥っ子にすると甥っ子も走った。

 

大晦日の日には顔を合わせる。

年に一度会うだけであるが、甥っ子からすれば存在感たっぷり。

二男は大きいお兄ちゃんと言えるだろう。

 

そのお兄ちゃんがここを走ったと思えば、自分も走る。

そんな子どもらしさがとてもかわいい。

 

一方、うちの長男とはなかなか会う機会がない。

会ったのは遠い昔で記憶もあやふや。

それでも大きいお兄ちゃんのお兄ちゃんなのであるから、甥っ子のなか憧憬のようなものがあるように感じられる。

 

東京に大きいお兄ちゃんが二人いる。

二人と同時に会うことがあれば、甥っ子は大いにはしゃぐに違いない。

 

カラダがごつく、そばにいるだけで頼もしい。

そして語られる話はおもしろく、甥っ子からすればいつまでもその話を聞いていたい、というものだろう。

 

思い浮かべるだけで微笑ましく、楽しい。

 

ちびっ子が元気で可愛らしい。

そんな様子に大人の心はいやされる。

 

ちびっ子に目を細め、甲子園の三番町あたりまで歩いたところで、ようやく空車のタクシーが見つかった。

2022年5月21日 江坂 旬彩天つちや