墓参りを終えた帰りは息子たちの話になった。
父が言うには、前夜、二男から電話があったとのことだった。
二男は近況を語り、いまの目標について語った。
そのしっかりした口調に父は男子としての風格を強く感じたという。
たまに電話し祖父ともコミュニケーションを取ろうと心がける二男の姿勢が親として嬉しい。
戦闘力と根性のあるいっぱしの男子になった。
二男の成長を喜ぶ話が続いて、そして長男の話になった。
あ、そうそうと家内が、就活中に人事担当から長男に寄せられたメッセージを父に読んで聞かせた。
面接を通じ非常に高く評価しています。
グループディスカッションにおいても、議論を牽引するだけでなく、献身的かつ真摯に周囲の意見、指摘を受け止め、共通の目標へと昇華させようとする姿勢は非常に魅力的に映りました。
もちろんプレゼンテーションもユーモアに溢れ、表現力に富み、たいへんインパクトのあるものでした。
当社を選択肢から外さず、最終的に当社を選んでくれると嬉しいと思います。
担当者として、是非とも当社のさらなる発展に貢献していただきたいと強く思うところです。
父はふむふむと頷いて聞いていたが、喜びをもって耳を傾けていることは間違いのないことだった。
こういう話をちゃんと伝えてくれる家内に感謝したいような気持ちになった。
小さかった頃、週末になると父がやってきて二人のちびっ子を公園や交通博物館などに連れ、よく遊んでくれた。
そのちびっ子がいつの間にか大きくなった。
育つものがあるのであれば、老いもまたよし。
そんな風な心境もあり得るかもしれない、そう思えた。
振り返れば時が経つのはあっという間のことだった。
孫の近況を聞いてしみじみとした喜びを噛みしめる。
わたしだって近いうちにそうなることだろう。