KORANIKATARU

子らに語る時々日記

一日の幕開けはとても苦しいものだった

その昔、早起きを苦痛に思うことはなかった。


それ以前、仕事に追われ尻に火という状況に置かれていたから早起きしないことの方が苦痛だった。


誰もがまだ寝静まる時間に飛び起きて、息つく間もなく事務所に向かうという日々が長く続いた。


当時と較べ今はずいぶんとゆっくり過ごすようになった。

だからたまに早起きを迫られる場合、寝床への郷愁を断ち切り難く苦痛を感じる。


朝の5時ともなると家の前を少なくない数の人が駅へと向かうのが目に入る。

かつてわたしはそのうちの一人だったが、今ではとてもそんな真似はできない。


もしそうしなければならないとしたら。

思い浮かべただけで気が塞ぐ。


この日は朝の4時に起きなければならなかった。


が、もはや無理が効かない。

結局ぐずぐずして4時半まで寝床を出ることができなかった。


だから、ろくでもないような気持ちで一日が始まったのであるが、この一日がどれだけ素晴らしいものとなるのか、このときわたしはまったく分かっていなかった。

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