この日は走らず、サウナで汗を流した。
待ち合わせ時間ちょうど。
改札の前に立った。
電車が入ってきてしばらく後、家内からメッセージが届いた。
降りるん忘れた。
ひと駅先まで行って戻ってくる家内を引き続き改札に立って待った。
無事、姿を現した家内が言う。
来る前に頭皮マッサージを受け、それでうとうとしてしまった。
頭皮マッサージの気持ちよさについて話を聞いて歩いて5分。
『和ごころ なか道』は駅から至近の場所にあった。
今年の3月26日に開店して、すぐさま新型コロナの影響で開店休業状態を余儀なくされた。
しかし、力があれば必ず芽吹く。
若き店主の料理の腕は相当なもの。
弁当などを売ってつないで、それが好評を博した。
評判が評判を呼び、家内の目に留まることになった。
それですぐさま予約し、こうして夫婦で来店することになったのだった。
ほんとうにいい店を見つけた。
感想を一言にすればそうなる。
コース料理は9品続いたが、まったく途切れのない最強打線と言えた。
家内はたいそう喜んだ。
若き店主と料理談義で盛り上がり、今が旬の料理の精髄を心ゆくまで堪能した。
3時間に渡って、いたれりつくせり。
しめの素麺も素晴らしく、デザートにも手抜きがなかった。
最後には紅茶まで淹れてくれるのだから、そのおもてなしの心にいたく感じ入るのも当たり前の話だった。
ほんとうにありがとう。
来月また来るねと言い残し、店を後にした。
帰途、この夜の料理のことで話題は持ちきりだった。
誰か一緒に食事する際は、ここにしよう。
皆を誘わねばならない。
そう話し合い、一段落すれば息子ら交え家族4人でも一席設けよう。
その様子を思い浮かべ、家内は更にまた喜んだ。