朝、出かける息子の後ろ姿を夫婦して見送った。
ジーンズがとてもよく似合っている。
わたしが先日選んだものであるから、我が事のように嬉しい。
わたしたちもすぐに出発しジムに向かった。
人もまばらなジムでそれぞれ筋トレしマシンで速歩した。
トレッドミルで流す映像はBTS。
ちょっとステップ踏むだけで、ゾクゾクするほどカッコいい。
BTSはもはやその域に達するスターとなった。
何度見てもゾクゾク感が増すばかり。
そりゃ世界が魅了されるのも無理はない。
わたしたちの頃で言えば、ブルース・リーのような存在と言えるかもしれない。
見て美しく、何度見ても飽きず、見れば見るほど元気になる。
ジムを終え帰宅し、すぐまた家内の運転で家を出た。
向かうはなんばパークスシネマ。
わたしが家内に強く勧め、『82年生まれ、キム・ジヨン』を観ることにした。
観始めてすぐ引き込まれた。
嫁として妻として母として女性に求められる役割は多く、そして、その要求水準は無茶なほど高い。
そんな苛烈な前提が、さも当然といった風にまかり通っているから女性は辛い。
更に加えて、仕事のキャリアも追うとなれば、もはや常人離れの域。
とても正常な神経ではいられない。
不条理とも言える因習的常識の渦中を一歩外側から見るから、「ひどい話だ」とそのいびつが実に明瞭に理解できる。
わたしたち夫婦にとっても、この映画がひとつの総括。
過去を振り返り、家内の労苦をねぎらって感謝の意を伝え、いちばんしんどい行程は終わって、あとは楽しいことばかりと宣言することになった。
そう言ったとおり、今後は女房孝行をしっかり果たさねばならず、息子らにも母をより一層大切にと言い聞かさねばならない。
嫁、妻、母そしてキャリア、全部こなすなど土台無理な話であり、ひとつかふたつで十分御の字と言えるだろうが、相当に意識しないと因習の再生産を断ち切るのは容易な話ではない。
幸福な結婚生活を得るための先取り学習として、息子らも必ず観て心しておくべきだろう。
映画を観終えて、高島屋で牛タンを食べ、買物しどっさり食材をひっさげ帰宅した。
あとは家でゆっくり。
家内の英語レッスンが始まるまでの時間、ゆっくり二人でワインを飲んだ。