日本だと会話は天気の話から始まる。
いまならたとえば、「涼しいですね」「長い自粛でCO2が減ったからかもしれませんね」といったやりとりがあちこちで交わされる。
これが韓国や中国といった東アジアの国だと食事の話から会話が始まる。
「ご飯食べましたか」。
わたしの場合、答えるならほぼいつでもイエスとなる。
「ええ、ラーメンを食べました」。
事務所界隈がラーメン激戦区。
だからラーメンを食べる機会がやたらと多い。
ちりも積もれば。
振り返っていつも思う。
結構な量を食べてきた。
この日も昼にラーメンを食べた。
朝出るとき、弁当を作ると家内は言ったがそれを待たずに飛び出した。
二男が終日友人と過ごすとのことで弁当も夕飯も不要。
こんなときにわたしだけのために手間をかけさせては申し訳がない。
夕飯も買ったものを家内と食べることにした。
近所にケバブ屋ができたばかり。
どんなものか味見が必要だった。
赤ワインを開け夫婦で食べる。
開口一番、家内がわたしに聞いた。
昼は何を食べたのか?
挨拶みたいなものである。
ざる蕎麦、とわたしは答えた。
正直にラーメンだと言うと大目玉を喰らう。
ネギやチャーシューならともかく、そんなトッピングはごめん被りたい。
実際、食べた分だけジムで運動したから、差し引きすれば蕎麦を食べたくらいで収支がおさまる。
日曜は家内と一緒に過ごす。
だからラーメンの出る幕はない。
明けて月曜、わたしは門真に向かう。
ラーメン屋は日本全国津々浦々星の数ほど。
道すがら、どこかのラーメン屋とわたしは出合うのかもしれない。