揃ってジムで筋トレした後、昼を食べるため家内と外出した。
選んだのはジャスミンガーデン。
桜ノ宮駅で降りたとき、駅の改札で待ち合わせをしていたカップルがいて、歳の差があったから目を引いた。
不倫ではないか。
家内とヒソヒソ話し合い、前を行くカップルの様子を窺った。
そして信号待ち。
横に並んで会話に聞き耳を立てた。
そのやりとりから母子と分かって、わたしと家内は顔を見合わせ笑いをこらえた。
まもなく帝国ホテル。
その昔、家内が思いついて家族で泊まった。
プールで泳ぎ、朝のビュッフェで子らはオムレツをひとりで4つも5つも平らげた。
そんな思い出話にふけりながら23階からの景色を眺め料理を一品一品味わった。
先週のニューオータニ大観苑と比較し寸評を述べ合い、わたしは大観苑、一方の家内はジャスミンガーデンに軍配をあげた。
が、優劣の差を微細に語る家内の話を聞いているうち、その説明が至極適切なものに思えてきて、わたしはまもなく当初の意見を翻した。
食後、ホテル送迎のバスで梅田に出て、わたしは裏庭伐採という任務があったから、買物するという家内を残し一足早く家に戻った。
裏庭に茂る雑木をぶった斬る。
やる気がたぎって、形相は鬼と化した。
服を着込んで頭にタオルを巻いてゴミ袋も多数用意した。
準備万端、後は暴れ回るだけ。
いざ出陣。
裏庭に入って狂喜乱舞せんと手に武器を携えようとしたそのとき、所定の場所にハサミもなければノコもないことに気づいた。
探しても見つからず家内に聞いても要領を得ない。
当初の前傾姿勢は徐々に後ろに傾き、ひとりぽつねんと裏庭に立って、やがて内なる炎は消え失せた。
武器がなければ案山子も同然。
人の無力を噛みしめつつ、準備整えるなら最重要のものから、そう学んだ。
この学びを無駄にせぬよう今日の日記に顛末を記すことにした。