明石から三宮を経由し帰宅した。
家内は一足先にジムを済ませ、その余勢を駆って家の大掃除に取り掛かっていた。
わたしはひとり2号線沿いのジムに向かった。
人影はほとんどなかった。
我が物顔でマシンを使い、一時間に渡って筋トレを行った。
このところ仕事が千本ノックの様相。
気の張る状態が続いて落ち着かない。
カラダの隅々に疲労が降り積もっている。
それが筋肉の燃焼により木っ端微塵になっていく。
ひととき心地いい負荷に苛まれて心は晴れた。
有酸素運動を30分してカラダを仕上げ帰宅した。
風呂を上がると食事の用意が整っていた。
前菜は畑の肉とも呼ばれる枝豆。
続いてポークチャップ。
ニンニクと玉ねぎのすりおろしが入って実に風味がいい。
栄養も満点。
箸休めは各種野菜のぬか漬け。
これも麹が入ってカラダにいい。
そして、タコとホタテの焼き物を夫婦で分けた。
タコとホタテにはタウリンがふんだんに含まれて疲労回復にテキメン。
ちょうどこの日、朝日新聞の夕刊一面が腸内細菌の話だった。
腸内細菌は日頃の健康や運動能力に関係し、また食事や運動が腸内細菌の充実に好作用を及ぼす。
腸内細菌という視点でみたとき、うちはかなり優良な部類に入るのではないか。
家内と意見が一致した。
なにしろ、良質のタンパク質と野菜をたんと摂取し味付けに麹などを用いるから、腸内細菌を体内にじゃんじゃか放り込んでいるも同然である。
かつ、家族揃って運動好き。
全員が当たり前のようにカラダを鍛えるから、わたしも自然とそうなった。
つまり、腸内細菌をたっぷり摂り入れ、その活性化も怠らない。
家内が掃除の際に見つけた子らの昔の写真を眺めつつ、うちで育った超健康優良児の由縁について夫婦で語り、昔話で大いに盛り上がった。
二人そろって乳幼児の頃からやんちゃ坊主だった。
兄が主導し弟が真似て、それを意気に感じるのか兄がエスカレートし弟が追随する。
それをわたしは正の相乗効果だと思っていたが、おとなしい子を持つ親戚からは疎まれた。
病院につれていけとまで白い眼で言われたのだからひどいものである。
動物園に連れて行けと言われる方がまだ愛情あるというものだろう。
それに加えて、バカだった。
早生まれというほどではないが、4月から3月までの一学年のなか二人揃って後半に属し、それも一因ではあろうが、皆の輪にまざったとき当初はほんとうにバカに見えた。
それでもわたしは、元気ならバカでもいいと思っていたし、家内はバカであろうがサルであろうが我が子に持てる愛情のすべてを注いだ。
その結果としての腸内細菌。
「脱いだら凄いんです」という言葉が一時期流行ったが、腸内細菌の充実について息子らはどう表現すればいいのだろう。
お腹の中は菌だらけ。
そう言ってしまうとバカでやんちゃなイメージを補強するだけになりそうだ。