土曜の夜は久々の飲み会だった。
まさに三密回避。
座敷テーブル一つに一人が座って、間隔は十分。
皆が広間に散って陣取る様は各自守備位置についた野球チームのようであった。
それでも皆声がでかいから、会話は盛んで交流は濃密なものとなった。
皆と別れ岸辺から電車に乗って帰途についた。
地元の駅で降りたとき、電話が鳴った。
長男からであった。
西大和流の厳しくもしかし実は優しい指導が彼の特長だが、このご時世、厳しい部分が必ずしもウケる訳ではないようだ。
この夜も彼の意に反し、怖かったというクレームが保護者から寄せられた。
クレームだから気のいいものではない。
そんなとき、彼は誰かに話して心のバランスを取り戻す。
それが最も心の健全保持に有効だと知って実践しているから親としては安心。
そうかそうかと電話で話してすぐ解決し、塾講師からラグビーへと話題が移った。
練習で今日はカラダのキレがめちゃくちゃ良かった。
あとで動画を送る。
長男はそう言った。
親は練習動画の到来を心待ちにし、この日曜を過ごすことになる。