昨年の11月28日土曜日はともに大安。
高3最後のオンライン保護者会の日であった。
大阪星光と西大和、奇しくも同日の開催となった。
終わって母らは感想を述べ合った。
進学担当の教師が終始ヘラヘラと喋るなど西大和ではあり得ないことだった。
浪人した場合は駿台や河合ですねといった話も不要だった。
すでに生徒らはそこの世話になっており、頼りにしているのはそっちの方だった。
星光母は苦笑いするしかなく、一方、西大和母らの真剣さは更に熱く鋭利なものとなっていた。
両陣営を見比べれば、この時点で結果は明らかなことだった。
大学入試を実際に経て分かることだが、これは紛うことなき試練であって、率直に吐露すれば実に苦しいという一語に行き着く。
たかだ大学。
そう笑ってうそぶいたところで、カラダは嘘をつかない。
渦中に置かれた瞬間、切迫感で手に汗握ってプルル震える。
つまり人生を賭した戦いであり、その明暗の差は文字通り激烈。
そう内奥で理解しているから平常心を保つなど土台無理な話と言えた。
進学実績のため西大和はそこまでするのか。
そう冷笑する者もいるかもしれないが、試験前日、「お前は大丈夫だ、絶対勝てる」と先生が太鼓判を押す電話をくれたり、試験会場に向かう道々に立って激励の言葉をかけてくれたりすれば、どれだけ心強いことだろう。
そして実際、そういった極限の状況で目にした恩師の姿を生徒はその場は当然、生涯にわたって忘れない。
幸い、星光出身の先生陣には強い星光愛があるように見える。
卒業生と在校生の知的交流を促進しようと始まった星ゼミの実働を粘り強く担っているのは星光出身の先生らであり、成果を上げ続けいまや星光のお家芸ともなった物理オリンピックについても星光出身の先生の弛まぬ尽力があった。
いつかそのような先生らが学校の中心を占めるようになるはずで、そうなれば冷ややかな高みの見物ではなく、生徒の思いに真摯に向き合う熱い雰囲気が醸成されるに違いない。
獅子の系譜にある者らによって、眠れる獅子が目を覚ます。
さほど遠くない未来、必ずそうなるだろう。