KORANIKATARU

子らに語る時々日記

たまに女房と連れ立って食事する

朝、軽く片付けようと思った仕事の書類が見当たらない。

事務所に忘れてきたのだった。

 

それで平日よりも早い時間に家を出て、無人の事務所で作業にかかった。

 

土曜日だからかかってくる電話はなく、いつもより時間がゆったりと流れているように感じられ、改めて気づいた。

仕事がまったく苦でないどころか、こうして心静かに作業している時間を愛おしいとさえ感じる。

 

つまり、心的負担のあらかたは電話に起因するのだった。

電話は予告もなく突如鳴り出し、こちらの都合などお構いなしに時間の流れに割り込んでくる。

 

これは一種の電気ショックと言ってよく、もし計測すればその心的負荷は相当なものであるに違いない。

 

このところ電話対応のほとんどを若手に任せ、わたしはもっぱら奥に引っ込んでいるのだが、それを更に徹底してわたしはしっかりわたしの仕事に向き合おう。

そうすれば更に仕事の質が向上し、日々の平穏の度も増すことだろう。

 

午後、自宅に戻って武庫川を走り、シャワーを浴びてから神戸元町へと向かった。

家内と店の前で待ち合わせ、一緒に中に入った。

 

二男の席も予約してあったが、入試を終えたばかりの66期と会って飯を食うと言うから、やはり親より友だち、期は血よりも濃いのだった。

 

さすが予約もままならない人気店だけのことはあった。

どれもこれも美味しく、だからこそ、北新地の善道のことが思い出された。

 

やはり中華では善道が揺るぎなく一位で、だからこの店の名は二位なのだと夫婦で勝手に決めて納得した。

 

しかし、善道は予約が取れない。

と、わたしが言うや否や、家内がその場で善道に電話を掛けた。

そして、あろうことか、3月に席があるとのことで幸運にもわたしたちは予約を果たせたのだった。

 

たまに女房と連れ立って、食事する。

これがささやかな楽しみで、引き続き、先に楽しみが控えているから日々が楽しい。

 

3月は善道、そして4月には北野坂木下。

この二本柱に加え、この春にもまたいろいろといい店との出合いがあるだろう。

 

おいしいものを食べ、よき思い出が積み重なっていく。

夫婦で通った店の総数はこの先も含め相当な数にのぼることだろう。

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2022年2月26日 神戸元町 中国菜 二位