大手町へと通う利便を考えこの日は千代田線沿線の賃貸物件を見て回った。
不動産屋のクルマに運ばれ事前に選んだ七件を内見し文京区千駄木の物件二つに絞った。
周辺環境に恵まれ地盤も良く、息子も納得するに違いなく、直ぐにでも引越したいと言うのは目に見えていた。
不動産屋を後にして夕刻、歩いた先にカレーの名店であるデリー上野があったからそこで家内と一緒にカシミールカレーとタンドリーチキンを食べた。
やはりめちゃくちゃ美味しくてその味に魅了された。
スパイシーな食べ物はやみつきになる。
近くを通りかかればいつだって食べたくなる。
今後もそうなるのは間違いなかった。
銀座のホテルに戻って、帰途松坂屋で買った赤ワインを開けた。
翌日、家族四人がひさびさに集結する。
家内が息子二人それぞれにリマインドの連絡を入れてやりとりしその表情は喜びに溢れていった。
家内にとってはお腹を痛めて産んで育てた愛息子である。
息子二人に会えるから嬉しくてお酒がおいしい。
二本買ったワインはまもなく二本ともが空になった。
ちょっとした前夜祭のようなものとなったが、それにしても家内はほんとうにお酒が強くなった。
降り積もった年月を思い、心から家内を労うような気持ちになった。