三連休初日。
仕事でもしようと家を出た。
無人の事務所で業務に励む。
休みの日でも仕事ができる。
これぞ自営業者の喜びというものだろう。
折々、家内からメッセージが届く。
東京滞在中の前半は長男の住む下北沢に通い、後半は二男の住む高円寺の通うとのことである。
二人の息子は忙しいからたいていは家を空けている。
合鍵を使って部屋に上がり込み、肉を焼いて米を炊き、持ち込んだ食材で料理を作る。
掃除と洗濯もこなして、弁当まで置いて帰るというからこれぞ至れり尽くせりというものだろう。
といって、彼らが大阪にいたときも同様であったので世話焼き女房が押しかけ女房になっただけの話とも言える。
タイミングが合えば夜、どこか店で待ち合わせ、息子にご馳走を振る舞う。
これが家内にとって最大の喜びである。
だから、上京前から念入りにあれこれ夕飯の店を調べ、どんな状況にでも対応できるよう家内は準備万端、多様な店を予約した。
しかし、やはり息子らは忙しい。
幾つかの予約はキャンセルせざるを得ないということになった。
そんな夜は、さっさとホテルに引き上げる。
ワインを飲みつつNetflixでめぼしい洋画を眺めるが、身が入らないとこっちに電話がかかって、わたしがその二万語に付き合うことになる。
家内一人に世話役を押し付けて申し訳ない。
電話を終えるとほんの少しだけ咎めを感じる。
来月はわたしも同行し、家内の後をついてまわろうと思う。