特に行き先のあてもなかったが、天気がいいから出かけることにした。
助手席に座る家内がナビゲーターとなった。
旅先で羽織るブルゾンが要る、息子らのかばんも見よう。
幾つか選択肢が挙げられて、その中からまもなく最初の目的地が定まった。
わたしは箕面の問屋へとクルマを走らせた。
あれこれ品を見て、息子に写メを送った。
意向を聞くがこれといった品はなく、かばんの選定は持ち越しとなった。
が、ブルゾンは夫婦揃っていいものと出合え収穫をみた。
これで冷えたり雨が降っても旅先で快適に過ごせるだろう。
続いて車中。
天王寺公園近くでK-FOODのイベントがあるとの情報を家内がインスタで得た。
では、とクルマを南へと向けた。
天王寺公園の緑は美しい。
それをわたしたちは初めて知った。
きらきらと光ってまばゆい陽気のなか参鶏湯などを二人で食べ、まもなく次のご宣託が舞い降りてきた。
家内が言った。
せっかくだから食材も買おう。
だから続いて向かうのは鶴橋だった。
軽く寿司をつまんで腹を補い、あれこれ買って、家内が言った。
そろそろ旅行のプランの詳細を練る必要がある。
ではと次の行き先は芦屋になった。
予定を綿密に組み上げよいアウトプットを得るには、居心地よく集中できる環境が必要だった。
そんな場所は、芦屋のロイヤルホストの他にはなかった。
晴天の日曜日の午後、ロイヤルホストは空いていた。
ドリンクバーを頼むが、飲み物など不要。
おおまかなコースを選定し各経路の時間を調べ旅程の骨格をまず先に定めた。
続いてどこで食べるか店を選び予約して肉付けを整えて、実にスムーズに充実のプランが仕上がった。
あとは好天を祈るだけである。
作業が落ち着いてそれぞれコーヒーを一杯だけ飲んで、ロイヤルホストを後にして、ここで行き当たりばったり過ごした一日が、ルーティンへと回収されて、わたしたちは家に引き返してからいつものようにジムへと向かうのだった。
互いの趣味が合致している。
行き当たりばったりで過ごすとそういうことがとてもよく分かる。