ジムを終え自室にてコンビニ食をついばんでいると、家内が帰ってきた。
「弁当を買ってきたよ」
階下から呼びかけられたのでリビングへと移動した。
話題の弁当だそうで、先月から予約してあったのだという。
早速食べようとして止められた。
食べ方があるのだと家内の言に従った。
ご飯の上に乗る鰹をまずはぜんぶ上蓋に取り分けて、付属のタレで漬けにする。
十分に漬かったところでご飯の上に鰹を戻し、今度はその上からゴマダレを掛け軽くかき混ぜてから口に運ぶ。
実に美味しい。
なるほど、そのままがっついては元も子もなかったという話だった。
ひとつ3,300円もするとのことであったが、それだけの値打ちがあると思えた。
おいしいものを食べると場がなごむ。
この日家内は大阪でヨガのレッスンを2本連続して受け、続いて神戸に移動し料理教室に参加した。
そして梅田でのジム活を経て、阪神百貨店で買い物を済ませて帰宅した。
なんて元気でパワフルなのだろう。
家内の話をひとしきり聞いてから、わたしの方は午後に立ち寄ったマッサージ屋の話をした。
いいカラダをしている、肌がきれいなどマッサージ屋にて再三褒められるわたしであるが、この日の施術者はわたしの踵にフォーカスした。
踵がやわらかく、スベスベとしてピカピカ。
これは運動している証拠なのだとマッサージ屋のおばさんは言った。
運動していない人の踵はガサガサしていて血行不良だとひと目で分かる。
へえ、踵。
またひとつチャームポイントが増えたのであるから家内に話そうと決めていた。
わたしの話を聞いて家内もそれはあり得ると大いに納得したようだった。
そして、わたしたちは互いの踵を見せ合った。
双方ともにツルツルでピカピカ。
やはりわたしたちは運動する者たちであり、その結果がこういったところに如実に表れているのだった。
ガスヒーターを出したばかりの冬の入り口。
部屋は暖かで、共通の息子二人を持つわたしと女房は互いの踵を見せ合って大いに盛り上がった。
何やかやこの冬もまた、ここが楽しい団らんの場であることに変わりはない。