KORANIKATARU

子らに語る時々日記

二週連続、天満で過ごす

土曜明け方、急に秋めいて肌寒く、いつもは開け放つ窓をピシャリと閉めた。 朝食をとる二男に紙面を一枚取り出し手渡す。 この日の朝日新聞に歴史学者ハラリ氏のインタビュー記事が掲載されていた。 AIが支配する世界ではアルゴリズムの精緻さが政治的・経済…

ラグビーが子の成長を促す支柱となった

朝練にしては出発が早すぎる。 そう思っていた。 息子によれば、学校に一番乗りし誰もいないグラウンドで練習しているのだという。 なるほど。 空気は凛と冷え、あたりを静寂が包む。 薄明のグラウンドをひとり疾駆する二男の姿を思い浮かべてみる。 自ずと…

黙って静寂に耳を澄ませるようなもの

幸せであることは、その渦中にあってはさほど楽しいようなものではない。 往来で思わずスキップしてみたり、嬉しくたまらず寝床で足をばたつかせたり、つり革につかまってつい笑みがこぼれてしまう、といったような歓喜や興奮とは時系列を別にする。 派手な…

教育後進国へとまっしぐら

東大や京大を受験するには英検準2級以上の資格が必要になる。 現在の高2生からそうなる。 準2級と言えば、中学受験を終え英語を学び始め約1年。 中1の終わりか中2のはじめにはたいていの生徒がパスできるレベルであるから、ずいぶんと緩い要件である。…

案外説明するのは難しい

電話が鳴ったがあいにく電車内。 駅を降りて折り返し、仕事の話をしつつ家へと向かう。 話が込み入ってきたので途中、スーパーの前で立ち止まり電話に集中した。 と、誰かがわたしを下方から覗き込んできた。 オレンジのカットソーも色鮮やかに小奇麗な女性…

伶人町に砂塵が舞った

1 照りつける日差しの強さは真夏と同じ。 しかし太陽が雲間に隠れた途端に暑さ和らぎ、その寒暖差が風を誘って砂塵が舞う。 場所は天王寺伶人町。 手にするスティックが刀に見えて、映画『用心棒』の決闘シーンを彷彿とさせる。 秋の府大会。 初戦は対夕陽…

ベンチに腰掛け星を眺めた

昼に二男が実家を訪れた。 わたしは夕方に寄る予定であったがその旨を二男が父に話したようだった。 それで父から電話が来た。 敬老の日のお祝いで町内会から父と母それぞれに千円ずつ支給があった。 そのお金で夕飯を用意するから何も買ってこないように。 …

善きものはくすんだ色の光からもたらされる

パソコンに外付けしているHDDには大量の写真が保存されている。 年代ごと地層のように堆積するそれら写真群のなかへときおり分け入っていく。 そのたび返す返す思う。 昔々、子らは小さくしかし一貫して逞しく、やんちゃで笑顔が絶えなかった。 いまは大きく…

三連休初日の記録

わたしはジムを終え、家内はヨガを終え、土曜夕刻、天満の商店街で合流した。 蕎麦でも食べようと店を探すが午後5時に営業している適当な店はなく、家内が前から気になっていたという「天ぷらとワイン大塩」という店を予約し訪れた。 人気店であるようで若…

風に吹かれるだけで幸福

業務を終えて夕刻。 秋の香を含んだ風が優しくそよいで心身が芯からほぐれる。 風に吹かれるだけで幸福なのだから、こんなときはバスに揺られている場合ではない。 歩くに限る。 わたしはバス停を素通りし、北に向いて甲子園筋をぶらり歩いた。 もちろん家内…

いちいち誰も威張ったりなどしない

電車を降りたとき、家内から連絡が入った。 いま駅前のスーパーで買物しているという。 改札を抜け、わたしは真っ直ぐスーパーに向かった。 ちょうど夕飯の時刻。 スーパーは混み合っていた。 上品で可愛らしい雰囲気の女性が視界を横切り、目を引いた。 襟…

実は楽しみはそこにあった

朝食は小鉢に入ったチャシュー炒飯。 ニンニクの風味が効いて実においしい。 昨晩は、なすと鶏肉の煮物、揚げ出し豆腐、山盛りサラダ、焼肉少々というメニューであったので引き続きヘルシーな食生活が続いている。 会食の機会を除いては外食せず家内が作った…

両手に食料をたっぷり持たせその背を見送った

友人と母校を訪れたはいいが芸術鑑賞会の日と重なり高校の先生はほとんどが留守だった。 かつての副担任を見かけたので挨拶したところ、クラスの皆に紹介してくれたという。 東大の誰それですという友人の自己紹介の後、慶應の誰それですと長男は話し、強み…

子らが巣立っても退屈することはなさそうだ

午前零時十分。 玄関の扉が開いた。 たまたま玄関付近にいた家内が驚いたような声をあげた。 この夜、長男は西大和の友人らと難波で集まり焼肉を食べた。 盛り上がって長引き帰宅は午前様となった。 そして、集まった友人のうちの二人が我が家にやってきたの…

モノで自らを語る人など見たことがない

日曜の朝5時。 二男が起き出しスケボーを抱え武庫川へと駆け出して行った。 テイラー・スウィフトの弾む歌声を耳に薄明の河川敷を疾走する二男の姿が浮かんで、わたしの寝床にも一陣の涼風が駆け抜けた。 ほどなくして今度は長男が武庫川に向かった。 ラン…