時刻は朝の9時。 鰻の川繁は開店したばかり。 まだそれほどの列ではなかった。 自然と足が向いてわたしは最後尾に並んだ。前日、パル・ヤマトでうなぎ一尾を買ったのはこうして並ぶのを回避するためだった。 しかし、子に食べさせたいと思えば大嫌いな列に…
届いた牡蠣の一部は家内の手によりオイル漬けにされ、その他は揚げられカキフライとなって息子らに供された。 息子らの絶賛の声を聞き届け、わたしたちはクルマを走らせた。 思った以上に肉が売れ備蓄が手薄になったので補充する必要があった。 行き先はパル…
長男が帰ってきた。 家で食べたいと彼が言うので家内が腕によりをかけた。 タコちゃんがくれたステーキがこの日を待っていた。 4枚全てを惜しみなく家内が焼きそのうち3枚を長男が平らげた。 残り1枚をわたしと家内で分けたが信じられないくらいおいしく…
いまもって気持ちは10代であるが、老いは至るところに忍び寄る。 例えば細かな事務作業。 もはや往時の精緻さは保てず、短時間ならともかく長丁場になると苦痛を覚える。 振り返ればわたしの最盛期は30代後半から40代前半までであった。 元気さで言えば10代…
電話があって駅の改札に向かった。 階段を駆け下りる人波の先頭に家内の姿があった。 改札の柵越し弁当を受け取る。 明け方から仕事する際は弁当を持たずに家を出る。 で、このように家内がときおり届けてくれる。 事務所にていただく。 息子用の食材の余り…
ジャケットもコートも不要。 こんなに暖かい師走は経験したことがない。 身軽な格好で事務所を出て一旦帰宅し、家で家内と合流。 ボディケアとリフレクソロジーを受け終えたばかりの家内は心地よさの余韻のなかにあって陶然としいつもより静かだった。 向か…
この日はヨガの帰り。 夕刻、家内が事務所に姿を見せた。 またも一緒に帰途についた。 毎回同様であるが、日によって趣きは異なる。 先日の土曜日は保護者会の帰り。 ややフォーマルな格好で、シックな色合いにアクセサリー類がほどよく映えた。 月曜は買い…
クリスマスの買い出しを終え家内が事務所に顔を出した。 サンタからのプレンゼントを職員の子どもたちのため届けに来たのだった。 こんな細やかな気遣いができてこその女房。 わたしでは思いつけないことである。 先日と同様、一緒に帰ることにした。 魚屋が…
日曜日の朝。 すでに二男は出かけていて、家はわたしと家内の二人のみ。 師走に入って美食が続いている。 それで家内の生活指導がいよいよ本格化することになった。 朝食は鶏団子の生姜スープのみ。 食後、わたしが運転し向かうはジム。 このところ休日のジ…
事務所に顔を出した家内とともに帰途についた。 途中ビッグビーンズで週末食べる牛肉などを仕入れるがクルマということもあって結構な量を買い込むことになった。 荷物を両手に駐車場まで歩く。 ずっしり重いので骨が折れた。 さっきまで事務所近場のジムで…
仕事の手伝いに来ていた家内が会議机に座って語学の予習に勤しんでいる。 業務に一区切りついたので、家内を促し一緒に事務所を後にした。 日中の暖かさはどこへやら。 日暮れ後は空気冷たく、袖口や襟元あたりから寂寥のようなものが忍び込んでくる。 商店…
時刻は正午で場所は天王寺。 先日、二男が仲間を連れて訪れたパゴダ白雲が頭をよぎった。 せっかくなので母を誘ってそこで昼を食べることにした。 わたしは電車、母は自転車で移動し待ち合わせ、30分後にはテーブルで向かい合った。 わたしは冷麺セット、母…
明石での業務を終え帰途についた。 この日家内は京都。 フランスで知り合った友だちに合流し食事するのだという。 夕飯の支度はしてある。 家内はそう言うが、おそらくわたしにとって少量。 だから少し食べて帰ることにした。 さて何を食べようか。 楽しい空…
夕刻、駅を降りると雨脚が強まっていた。 雨に濡れながら急ぎ足で家へと向かう。 途中、スーパーの前を通りかかったとき、後ろから名を呼ばれたので振り返った。 家内だった。 その瞬間に予感したとおり帰宅後はジムとなった。 雨模様の平日夕刻、ジムは人影…
息子の帰省に合わせ家を小奇麗にしておきたい。 母という種族はそう思うようでこの日家内は梅田や難波を行き来して買物に勤しんだ。 帰途、家内が事務所に顔を出したとき時刻は午後6時。 軽く一杯行こうと話が決まって、近くにある活菜を訪れた。 熱燗とハ…