KORANIKATARU

子らに語る時々日記

父が息子に残すもの

天気予報では激しい雨。 だから事務所にこもって過ごすことにした。 始発に間に合うよう家を出たその瞬間、ぱらぱらと雨が降り始めた。 駅のホームには平日の始発時と同様の顔ぶれがあった。 土曜でも平日と同じ。 そんな勤務体系の人はいまも珍しくない。 …

パーとグーの決着は揺らがない

金曜夜、家で風呂をあがったところでビールが飲みたくなったのでぶらり中華の大貫を訪れた。 入口付近のカウンター席に腰掛けてキリンビールと五目そばを頼んだ。 大貫は古くからの地元の名店。 先ごろ新装開店となったばかり。 このご時世であるが結構な客…

大好物が大行列をなす

二つ残っていた豚まんを二つとも長男が食べてしまって以来、二男にとって豚まんは特別の思いを抱く食べものになった。 二男の大好物は豚まん。 家内は気軽にそう捉えているが、思いのなかに含まれる怨念といった要素がこそげ落ちているから単に大好物という…

久々の外めし、ただ書いただけの日記

待ち合わせ場所はJR芦屋駅。 大丸で買物を済ませた家内と合流し、夕暮れの涼風に吹かれ東に向いて歩いた。 目指すは、あーぼん。 なかなか予約が取れず、訪れるのは4年ぶりのことだった。 すっかりその味を忘れていたが、やはり別格。 一本目の串から感嘆の…

黙っていても前へと進む

疲労が溜まると動きが止まる。 前へと進む意思はあっても空転し、もがけば苦しくジタバタしても停滞を脱することができない。 ジムやサウナに通っていたのが遠い昔のことのよう。 血流は最果ての下流のごとく滞り、疲労物質がうず高く堆積しては上流に向け毒…

発火する命そのものが主題

魚を焼くというので、帰途、たこやに寄った。 女将が言うにはメバルがおすすめ。 切り身にしてもらい、ついでにアワビも手に取った。 家内の大好物である。 きっと喜ぶに違いない。 家内が支度し、いつものとおり二人で夕飯を共にした。 焼き上がったメバル…

部屋はジャスミンの香りに満ちていた

分厚い雲が空を覆って日差しは完全に遮断された。 家内にとってはジョギング日和。 それで久々、二人揃って武庫川に向かった。 明け方の雨で芝が濡れ、朝の冷気が地表を這って実に快適。 空と川面に映る分が合わさって、ふわふわの雲に両ばさみになったかの…

人生の後半戦がまもなく始まる

朝はリビング、途中から自室で息子が学校のオンライン授業を受け、わたしたちは彼の勉強の様子を見守りつつ邪魔をせぬよう家で静かに過ごした。 昼を過ぎ息子が勉強場所へと出かけ、各自の一日が始まった。 急を要する仕事が幾つかあったのでわたしは事務所…

日頃は見過ごす写真を注視した

新型コロナの影響で客先が激減した。 だから残った客先を大事にしないといけない。 そう掃除屋さんは言った。 それで大サービスとなって隅々まで掃除してくれ、頭上高い位置にある棚の上まできれいにしてくれた。 そのような経緯があって家内は棚の上に並べ…

一枚のハガキが会話を彩った

帰宅すると33期池田くんからハガキが届いていた。 この4月から京都府立医大の教授に着任したとある。 なんとめでたい。 コロナ禍が収まれば早速33期で集まってお祝いせねばならないだろう。 池田くんと言えばデビル軍団の一員。 岸和田のだんじり曳きでかつ…

連休最終日の記録

5連休の最終日は当然に仕事。 助走あってこそトップスピードで平日に飛び込める。 仕事の再開は、皿回しの要領。 休止していた皿を一つずつ回し、次第その数を増やしていく。 同時進行で皿がまわり始めてやっとのことお留守になっていたリズムがよみがえる…

場数を踏むことが第一歩

カネちゃんと電話で話し終えた時刻がちょうど午後8時。 二男はすでに帰り支度を整えていた。 事務所を後にし駐車場まで並んで歩いて夜道を走るクルマの中でも両隣。 いちばん感動した映画について話し合い、それが入口となってこの日も会話は根源へと向かっ…

息子と話せればそれで十分

時間を持て余すとよく近くのTSUTAYAをぶらついた。 あてなく棚を物色し、偶然手にとるという形で数々の映画と出合ってきた。 近所のTSUTAYAがなくなってもう何年になるだろう。 いまや動画配信サービスがひしめき合い、一つところにいながら好き放題に作品を…

事務所キャンプ二日目

朝はテールスープとテールラーメン。 こんなにおいしいもので一日が始まる。 なんて幸せなことだろう。 家内の料理の腕前に二男と二人で賛辞を送り、前日同様、男二人で事務所キャンプ二日目に臨んだ。 この日の毎日新聞の「映画愛」で藤原帰一さんが『AKIRA…

暮らしの土台が強固盤石

小松菜をたっぷりと鍋に投入しテールを煮込み、裏庭で育ったミントの葉でシロップを作っているとインターホンが鳴った。 家内は階段を駆け下りた。 八尾の実家からうちの息子たちに牛タン、牛バラ、ホルモン、ウインナーといった差し入れが届いたのだった。 …