待ち合わせ場所はJR芦屋駅。
大丸で買物を済ませた家内と合流し、夕暮れの涼風に吹かれ東に向いて歩いた。
目指すは、あーぼん。
なかなか予約が取れず、訪れるのは4年ぶりのことだった。
すっかりその味を忘れていたが、やはり別格。
一本目の串から感嘆の声が漏れ、わたしたちは顔を見合わせた。
同じ串カツでも本場ナニワのドギツイ大味とは大違い。
ふんわりやわらかで風雅な味わい。
だからだろう。
このご時世でも店内は満員御礼。
離れのテーブル席から見るカウンター席の賑わいは壮観だった。
出るのは串カツばかりであったが、串ごとに素材と味付けが異なり飽きることがない。
聞けばその日仕入れた新鮮な食材をネタにし手作業で一日に千本も仕込むという。
当然、お酒も進んだ。
ビールを皮切りにハイボール、冷酒そして赤ワイン。
飲むほどに家内は上機嫌となって楽しく幸せな夕飯になった。
しめて二人で27,940円。
大いに食べて大いに飲んだ。
また来ようと次回の予約を申し出るが、6月、7月まで満杯だという。
しかも受付は電話のみ。
席にありつけるかどうかは運次第。
そんな話であるから後は家内に託して気長に待つしかない。
ああ美味しかった。
何度も同じ話を繰り返し、またこの時間が還ってくることを願い、夫婦仲良く帰宅の途についた。