帰宅すると33期池田くんからハガキが届いていた。
この4月から京都府立医大の教授に着任したとある。
なんとめでたい。
コロナ禍が収まれば早速33期で集まってお祝いせねばならないだろう。
池田くんと言えばデビル軍団の一員。
岸和田のだんじり曳きでかつ空手家だったデビルは中高に渡って何の部活にも属していなかったが、野球部や陸上部のツワモノに一歩も引けを取らぬほど1,500m走が速かった。
それに得体の知れぬ強さが丸出しだったから、校内のコワモテどももデビルにだけは一切手出しができなかった。
そんなデビルが率いたから呼び名はデビル軍団。
その一団は校内でも一目置かれる存在で、廊下ですれ違おうものなら道を空けるのが当然という話であった。
次の飲み会は、デビル軍団を上座に戴き池田くんの慶事を祝う場になることだろう。
幸いタコちゃんがいまもデビルとツウツウ。
連絡はたちまちのうちデビル軍団をはじめとする大阪星光33期の隅々にまで行き渡るはずである。
そんな話をしつつ家内が焼いたタコ焼きを食べ、家内が作ってくれたハイボールを飲み、連休明けの業務で疲労があったので家内にひさびさ耳つぼマッサを頼んだ。
寝転がって頭部を預け、韓流ドラマをぼんやり眺める。
肩、首、頭と手で揉みほぐしてもらって心地よく、耳のツボは器具を使うがこれがたまらぬほど痛くしかし痛さがたちまちのうち温かみに昇華し、巣食う疲労があっという間に消え去った。
と、気づけば二男が帰宅していて、『梨泰院クラス』の画面を見てストーリーの先を語り始めようとしたものだから、それ以上はもの申すなと諫めてことなきを得た。
16話中のまだ12話。
あやうくささやかな楽しみを台無しにされるところであった。
10点満点で何点か。
その評価だけを二男に聞くにとどめ、ストーリーについては耳を閉ざした。
で、ちょうどそのとき長男からラインでメッセージが届いた。
読み終えた本が素晴らしかったとの感想だった。
そうか、そうか、また送るとわたしは嬉々と返信し、ドラマや本について一緒に語り合える息子たちがいて心底幸せだと思った。