家内がぽつりと言った。 この一週間、忙しそうだった。 そのとおり。 だから土曜からの連休がとても嬉しい。 さっさと寝床を飛び出し、雨が降り出す前に武庫川を走った。 心伸びやか快走できて、走ることの気持ちよさにひたった。 昼から家内は息子を連れて…
上の息子が帰ってきた。 クリスマスにまた上京するというから一時的な帰郷であるが、息子がいると家内は俄然活気づく。 出先でワインを選び肉を調達し、息子のために料理を作り、食後は息子を連れて服を選ぼうとガーデンズへとクルマを走らせた。 先々の日に…
かつて年末は激忙だった。 街はイルミネーションで飾られ、その一方、締め切りに追われる心は暗く荒涼としていた。 ここ数年、人手が増えてその憂鬱がめっきり軽減されていた。 ところが、ここにきてまた煩忙の度がぶり返してきた。 大口の契約が前へと進み…
大阪天満宮に立ち寄ると星光生の小集団がお参りに訪れていた。 そう言えばいま師走も半ば。 大学の共通テストが目前に迫る時期なのだった。 グループの雰囲気が和気あいあいとしていて微笑ましい。 そんな68期生の背中をみて思う。 この関係がおっさんになっ…
口が重たいタイプなので普段、あまり喋らない。 ただ仕事になるとそうはいかないから重たい自分を放り出す。 中を空っぽにすれば不思議なもので話すことが立て続けに頭に浮かんで、もしかしたらわたしは饒舌なのかと自身を取り違えそうになる。 しかし、通し…
昼を過ぎて事務所を後にした。 遠方にて新規の面談があり、長い時間にわたって電車に揺られた。 やや大きめの案件だったので道中ずっと緊張感が付きまとった。 いくら場数を踏んでもこればかりはどうしようもない。 目を閉じ、心静かにその場所へとわたしは…
かすか雨滴を感じる程度の霧雨のなか、武庫川を走って一日がはじまった。 昼を過ぎると混雑の度が増すからといって、午前中のうち家内に梅田に連れられた。 阪神百貨店のモロゾフで遅めの朝食をとり、そこから阪急百貨店に向かった。 家内が買い物する間、わ…
午前中は自宅で仕事し、昼を前に武庫川に出た。 ぽかぽか陽気のもと走って、家で簡単に昼を済ませてからジムへと向かった。 土曜日の午後、プールはガラ空きだった。 外へとつながるカラダの通路すべてが水で塞がれ、それがカラダによい効果をもたらす。 家…
前日、まったく運動をしなかったからだろう。 朝起きたときに不全感を覚えた。 それで武庫川へと繰り出した。 朝陽を浴びて走って、まもなく不全感はきれいさっぱり拭い去られた。 午前中は家で仕事し、昼過ぎに事務所に入った。 場所が切り替わると集中力が…
宝塚にて業務を終えたとき、時刻は夜8時を過ぎていた。 月曜から水曜までノンアルで過ごしたから今日はいいだろう。 西宮北口で阪急電車を降り、盛り場の方へと足を向けた。 客引きギャルらの甘い誘いをかいくぐり目指すは大松で、もはやわたしの行きつけの…
ちょっとした楽しみが仕事を彩る。 この日、豊中で業務があってクルマを使った。 頭に浮かぶのは帰り道に通りかかるラーメン東大のことだった。 業務後はそこで遅めの昼食をとることに決めていた。 頭の片隅にあるラーメンが光を放って業務を後押しし、その…
仕事の「合間」といった時間がここ最近増えてきた。 昔は仕事を始めれば仕事しっ放しで仕事が終わるまで仕事が途切れるということはなかった。 いま、仕事がぽつりぽつりといった感じで「仕事」と「合間」が並存していて、手を休めるには長いと思える空き時…
ワールドカップも決勝トーナメントまでくれば奇跡の生まれる余地はないようだ。 日本に続いて韓国も敗れ、アジア勢に立ちはだかる世界の壁をまざまざと見せつけられた日の朝、家内は息子たちのために肉を焼き料理を作り、そしてうちの父のためにも肉を焼いて…
月曜の朝、まもなく事務所というところ。 信号待ちをしていると、横断歩道の向こうに一組の父子の姿があった。 父親はまだ若く、息子は小学四年生といった風に見えた。 二人はとても仲がいいのだろう、寒空のもと横並びになってしっかりとカラダを抱き寄せ合…
息子たちが家で暮らしていたとき、しっかりとした日常の時間が流れていたのは家内のおかげと言えるだろう。 母が不在になると何かが緩む。 そんなことをちゃんと理解していて、だから、家内が用もなく家を空けるということは全くなかった。 早朝に起き食事を…