KORANIKATARU

子らに語る時々日記

この日のキーワードは苦節十年

朝一番、駅のロータリーで職員をピックアップし新規の客先へと向かった。 小一時間ほど。 そう見込んだ商談は長きにわたり、終わったときには昼間近という時刻に至っていた。 十年の下積みを経て事業主となり艱難辛苦の果て地域のトップへと躍り出たこれまで…

「お後がよろしいようで」と去っていく

料理教室にて出会いが生まれる。 そこで意気投合し食事などに出かけ、そして交流が深まっていく。 ここ最近も仲良くなる人に恵まれた。 そんな話を家内から聞くのがとても楽しい。 2つの出会いがあり、何度か会ううち身の上なども知ることになった。 双方に…

悪い流れといい流れ

ここ最近はSNS警察の取り締まりがキツくなり、以前のように奔放なウソが跋扈し難くなっているのだという。 誰かの画像を剽窃しさも自分の持ち物のように見せびらかせたり、偽ブランドをひけらかせたり、嘘八百の留学経験や経歴を語ったところで、どこで誰が…

行き詰まったら眠ればいい

疲れたときには眠るに限る。 特に雨が降り続くような夜には尚更のこと。 たっぷり10時間。 それくらいの睡眠を取ろうと思って、この日わたしは夜8時過ぎには寝床に就いた。 心身に潜む倦怠感は一掃され、長い夢路を経て、日常では起こり得ないブレイクス…

息子たちが暮らす街でいろんなものが満ち満ちた

フィットネスから戻ると、窓の向こうには青空が広がっていた。 滞在三日目にして晴天に恵まれたのだった。 さっさとホテルをチェックアウトし大手町にて自転車を借りた。 陽気が兆し始め、花の香がかぐわしい東京の街を夫婦で縦横に走った。 昼になって馬喰…

花咲く季節、家族四人で集まった

花曇りの朝、女房と共に皇居あたりを散策し、混み合うスタバでお茶するがよい席にはありつけず、ディーンアンドデルーカへと移動しそこを根城にすることにした。 いつも芦屋のロイヤルホストでするように、そこで今度の旅行について具体的な行程を組み立てて…

昼と夜とで身の程をわきまえた

東京駅に着いてすぐパレスホテルへと向かった。 花冷えの日となって肌寒い。 気温を見ると9℃。 何か羽織ってくるべきだった。 ドレスコードがあるとのことでレストランの入口でジャケットを借りた。 着る必要はなく、手に持てばいいと言う。 素直に従った。…

老後に備えメンタルの土台も構築しておいた方がいい

家内が持たせてくれた焼肉を携え、朝一番で実家に寄った。 座椅子にもたれ朝の情報番組をみる父のかたわらに座って近況を話し、話題が途切れるとテレビに目をやった。 野球選手の通訳が違法賭博に手を染めていたとの話題が取り上げられていて、父は言った。 …

自分が大事にしているものを知る

朝8時、約束どおりお客さんから電話がかかってきた。 業務について打ち合わせしていると、階下から声が聞こえた。 ご飯できたよ。 家内がわたしを呼んでいるのだった。 わたしは電話しながら渡り廊下に出て、階下にいる家内にいま取り込み中であることを指…

別人になることもまた旅の醍醐味

貝の蓋が固く閉じているようなものなのだろう。 普段わたしはそのように内にこもって、だから往来で誰かから声を掛けられるといったことがない。 繁華街の客引きでさえ手をこまねく。 内で思念がむんむん蒸して、そんな様子が如実に伝わるのだと思う。 そん…

ぐるぐると時間のなかを巡って歩く

ジムから戻って食卓に座る。 一日のうちでいちばん心が落ち着くときである。 家内と差し向かいになって日本酒を酌み交わし、今後の旅先の映像などを眺めて夕飯をつまんだ。 ひとつの場所を訪れると、次々と行きたい場所が増えていく。 楽しみが増える訳であ…

庭園にて上質の安らぎが降って湧いた

かなりの人気店なのだろう。 開店前から列ができ始めていた。 慌てて夫婦で並ぶが前から数えて二十番目あたりとなってしまった。 午前8時半、福井マラソンのスタートと同時、名店「はや川」が開店となった。 が、マラソンのようには前へと進まない。 遅々と…

旅情は時間をも縦横に巡る

福井駅の真隣に新しいホテルができた。 夕刻のニュースで紹介されていて、ジムのサウナを出てすぐに予約した。 特に何か観光する訳でもなく、汽車に揺られて福井を訪れただのんびりと過ごす。 是非ともそうしようと思い立ったのだった。 敦賀までのサンダー…

なめてかかればマットに沈む

二十代の頃のこと。 連日飲み歩いていた。 勤め人であることが嫌でたまらなかった。 このままではこのまま。 未来が見通せず、それで憂さ晴らしが必要だったのだと思う。 しかし飲んで何かが前に進む訳はなく、朝の重苦しさが増すばかりで、「このままではこ…

のどかな光景の真ん中でまさかと思って血の気が引いた

電話しながらだったからだろう。 池部駅に停車している電車にそのまま乗って、思ったのとは反対方向へと運ばれた。 単線の電車に乗ることは滅多にない。 その不慣れも手伝ってのアクシデントだった。 タイトな時間を縫うように動いていたから、その時点で次…